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男の過去~少年編~

あなたのことが……好きでした。

嫌われても、自分の存在を気にかけてもらえなくても。それでも……。

この想いが届くことは一生ないと。そう、思っていました。

だから、最後に、私のために涙を流してくれたときは本当に胸が張り裂けそうになるほど嬉しかった。
これで終わりなのに、もう駄目なのに。まだ、生きていたい。あなたとずっと一緒にいたいと思ってしまうほど……。

私の知らないあなたの過去を知りたいだなんて願ってしまった。

でも、私はもうあなたの傍にはいられない。それが、どうしようもなくもどかしくて、悲しい。

溢れる涙をこの手で拭き取ってあげたいのに力が入らない。

今もあなたの胸の内から血を流すその傷を癒したかった。

瞼が重い……。段々と視界が暗く染まっていく。

ごめんなさい、男さん。私は……

……





……

――旧エルフの墓――

男「それにしても、エルフの奴にあんな過去があったなんて……。あの子の前じゃ少し格好付けちゃったけど、こんなことならもっと早く話を聞いてあげるべきだったな……」

いつも傍らにいる少女を連れずに男は一人旧エルフの墓前に座り込み、つい先日エルフから聞かされた話を思い出していた。僅かな興味で聞いた話だったが、聞き終わってみると色々と考えさせられる事があった。
当時は考える事すらなかったが、戦争の被害を受けていたのはなにも人間に限った話ではないのだ。エルフだって犠牲を払い、戦いに参加していないただの住人が無慈悲に殺される。あの頃はそれが当たり前の毎日だった。
ただ生きるため、そのために剣を振るい、槍を突き、魔法を紡ぐ。狂乱の宴に参加した哀れな役者達は一瞬にして舞台裏に下がる事もあれば、時に主役を張ることもあった。
 結果的にエルフは負け、人間の勝利に終わった戦争。だが勝利の代償に、得たものは少なく、それよりも失ったものの方が多かった。
男はふと己の手のひらをジッと見つめた。何もないはずのそこにはいつの間にか鮮血が滴り落ちていた。

男(ははっ……。エルフの話を聞いたからかな。久しぶりに嫌な光景が浮かんだよ)

何人も、何人ものエルフを友の、家族の、大事だった人たちの仇だと憎み、その手で葬ってきた。戦場で己が生き残るため、皆の仇を討つために……。
だが、

男「でも、僕があの時選んだ道は結局……」

脳裏に思い浮かぶのは怯えた目でこちらを見つめる幼い容姿のエルフの兄妹。その瞳に映る己の姿は冷酷な顔をし、一切の容赦なくその命を奪おうとするものだった。
それを見た男は、かつて、まだ何も知らずに家族とともに穏やかに過ごしていたころの自分を思い出した。
ああ、あの時の自分もこんなように怯えていたんだったと。
それを悟った時、目の前のエルフの兄妹の命を奪う事ができなくなってしまった。結局、そのエルフたちを見逃して男はその場を後にしたのだった。

男(あの時、僕があのエルフの兄妹を殺してしまっていたら今こうして穏やかに暮らしている事はできなかっただろうな……)

おそらくは今もまだ戦いの日々に明け暮れ、身体に染み付いて離れない血の匂いを纏って生き続けていただろう。
過去を思い出し、暗くなりだした男の心とは対照的に空はどこまでも澄み渡り、明るい日射しが大地を照らしていた。

平和だ……。

そう感じてしまうからこそ、男はこれまで誰にも話したことなかった己の過去の全てを口に漏らしたくなったのだろう。それも、話しかけても何も問題のない相手に。

男「ねえ、旧エルフ。聞いてもらってもいいかな。僕が今までどんな風に生きて、何をしてきたか。エルフに話す事のできない醜く、残酷だった僕の罪を……」

彼の問いかけに答える言葉は当然ない。過去を思い返すなら一人だけでもできる。だが、男はどうしても語っておきたかったのだ。彼の最愛だった少女に。今も彼の心に残り続ける存在に。
問いかけてからしばし男は黙り込んでいた。だが、じっと待ち続ける彼に答えるように一陣の風が吹いた。
優しく、柔らかいその風はそっと男の肩を撫でた。男には何故かそれが彼女の了承のように思えた。
了承を得た彼は一度大きく息を吸い込んだ。思い返そうとするともうずいぶんと昔の事のように思える。それほど彼の始まりは古かった。

そう……あれは彼がまだ家族と共に過ごしていた頃。まだ、魔法も何も使えず、ただの力なき少年として過ごしていた時のことだった。

雲が静かに空を流れて行く。様々な大きさ、形をしたそれを見て、上を見上げる子供達がはしゃぐ。

少年A「すっげぇ! 見ろ、見ろ。あの雲めちゃくちゃぐるぐるしてっぞ!」

少年B「うわっ! ホントだ。でっけえなぁ……」

子供特有の無邪気さを全く隠すことなく、ただ本能のままに騒ぐ少年達。そんな彼らの中にひっそりと混じる一組の兄妹がいた。

妹「もう……みんな騒ぎ過ぎだよ。水汲みの帰りなのにこんな風に油売ってていいのかな……」

男「いいんんじゃない? もう水は汲んだわけだし、水桶も僕たちが預かってるから零してまた取りに行くようなこともないだろうからね」

妹「そもそも、お兄ちゃんが『あ……大きな雲だな』なんて言わなかったら、みんな足を止めないで家に帰ってたんだから! 早く、みんなを連れて帰ろうよ~」

男「ええ~。僕のせいになるんだ、この状況。でも、あんまり遅くなってもいけないし、確かにそろそろ帰った方がいいかもね」

妹のお願ごとには弱い兄は、しかたないなと苦笑まじりの笑みを浮かべながら、雲を見上げる少年達の元へと混じっていく。そして、すぐに彼らを連れて一人待つ妹の元へと戻った。
そして、子供達の中でも一番小さく力のない少女が持つ、水桶の取っ手を半分持って男は先に歩き始めた。
少女は気遣われた事を申し訳なく思いながら、それでも兄が自分を思ってやって行動してくれたことに照れていた。そんな彼女を見て少年は満面の笑みを浮かべながら歩き出した。その彼に置いて行かれないように少女もまた歩き出す。
一組の仲のいい兄妹。まだこの先の未来に何が起こるのかも分かっていない男とその妹はただ笑顔を浮かべて日々を過ごしていた。
道草を食うのを終えた数人の子供達は一列に並んで家へ向かって歩いていた。
鼻歌を歌ったり、元気に腕を振ったり、時にはよそ見をして足を止めたり。
日はまだ空高くにあり、つい先日降り終わった雨で溜まった水たまりを消すように少しずつ蒸発させていた。
むしむしとした暑さが漂っていたが、それでも子供達は元気だった。
辺境の地にある小さな村。そこに住む人は数えられるほどで、そこに住む大人達の大半は少し離れた場所にある街へと出稼ぎへと出かけている。
必然、その村に残るのは女、子供。それから土地を耕すために残された少しの男勢。
ただでさえ、人手が足りてないこの村はやれることであれば子供達にも手伝いをさせている。互いに助け合い、生きて行く。人の少ない村ならではの生活だった。

少年A「あ~あ。早く父ちゃん帰ってこねーかな。俺もう二ヶ月も会ってねーよ」

少年B「え~。お前はいいじゃん。街のお土産買ってきてもらえるんだもん。こっちはなんにも貰えないんだぜ」

少年A「でも、お前の父ちゃん月に一度は帰ってきてるじゃんか」

少年B「ああ、あれ? うちの父ちゃんさ、母ちゃんに会えねえのが寂しくて毎月帰ってきてるんだよ。もう帰ってきた日なんて家にいずらくてさ。二人だけの空間? そんなんできちゃって、逆に帰ってこなくていいって思うくらいだよ」

少年A「そ、そうなのか……お前も大変だな~。そう考えると男の家が一番いいかもな。だっていつも家にいてくれるんだし」

少年B「そうそう! 男ん家はいいよな~。父ちゃんも母ちゃんも優しいし。俺、こないだお前の母ちゃんから菓子貰ったんだぜ」

それまで二人だけで盛り上がっていた会話に突然自分が組み込まれて、男はどう反応していいものか困っていた。
家族が褒められるのは嬉しいが、それを素直に表に出すのはなんだか気はずかしい年頃であったのである。

男「そんなことないよ。ウチなんて全然……。優しいって言っても父さんなんて家の中じゃホントに威厳がなくていつも母さんに叱咤されてるし。
母さんだってうっかりしているところがあって料理を作りすぎちゃうことがあるだけだよ」

少年A「……って言ってるけど実際のとこどうなの妹ちゃん」

妹「確かにお兄ちゃんの言ってることは本当だけど……。でも、お父さんもお母さんも私にとって尊敬できる立派な人たちです。
厳しめなこと言ってるのは、お兄ちゃんが恥ずかしがり屋なところがあるからです」

男「ちょっ! 妹……」

少年B「うわ~男ってば妹にフォローしてもらってる。だっさ!」

男「う、うるさいなぁ」

少年A「つまり、男は家族大好きだけどそれを素直に認められない照れ屋さんなんだな」

からかうのにちょうどいい相手を見つけた二人の少年はすぐさま男を茶化した。
男も初めは彼らの言葉をただ黙って聞いているだけで、反論も何もしなかったが、あまりにも少年たちがからかいの言葉を投げかけたせいか、とうとう我慢の限界が来て大声を上げて反抗した。

男「だあああああぁぁぁっ! もう、この話終わり! 次に変なこと言ったら怒るから!」

息を荒くしている男を見て、その場の誰もがもう怒っているではないかと思ったが、それを指摘してしまうとますます男の怒りの度合いが強くなりそうだったため、みんな何も言うことなく黙ることにした。
羞恥から赤くなった顔を見られたくないのか、一人先に進んでいく男。そんな彼の様子を見て、後ろにいる少年たちは顔を合わせて苦笑するのだった。
しばらくして、ようやく村へと辿りついた男たちはそれぞれの家に帰っていった。
男はまだからかわれたことを気にしているのか別れ際若干不機嫌そうにしていたが、妹になだめられて家に着く頃には普段の男へと戻っていた。
村の一角にある小さな一軒家。家の材料が木々だけという素朴ながらも頑強な作りのその家が男と妹の家だった。
持っている水桶を一度下に置き、入口の扉を開ける。

男「ただいま~」

帰宅の言葉を口にして家の中へと入る男。扉を開けてまず最初に感じたのは食欲を唆る香ばしい匂い。奥からはグツグツとスープを煮込んでいる音が聞こえてくる。

母「おかえりなさい、二人とも。疲れたでしょ? もう少しでご飯できるからゆっくりして待ってなさい」

スープの味を確かめながら、お使いから返ってきた二人の子供をねぎらう女性が一人。男と妹、二人の母親がそこにはいた。

妹「お母さん、汲んできた水はもう水釜に入れておく?」

母「う~ん、どうしようかしら。一つはたぶん今日で使っちゃうだろうから一つ分だけ入れておいて」

妹「わかった!」

元気良く返事をして妹は家の隅にある水釜へ汲んできた水を流し込んだ。男もまた置いていた水桶を手に取り水釜の横へと置いた。

男「そういえば父さんの姿が見えないけれどもしかしてまだ畑にいるの?」

母「そうよ。でも、そろそろ帰ってくると思うわ。お父さんが帰ってきたらご飯にしましょう」

男・妹「は~い」

ひと仕事終えた二人は、食事になるまで待っていようと自分たちの自室に戻った。二人は一部屋を一緒に使っているのだ。
部屋に入って左右それぞれにあるベッドに横たわった二人。男が寝転がったまま天井を見上げていると、身体を起こしてベッドに腰掛けた妹が声をかけてきた。

妹「ねえねえおにいちゃん」

男「ん? どうかした?」

妹「私さ……エルフ見ちゃったかも!」

男「えっ!? どこで!」

妹の突然の発言に驚きを隠せない男。そんな彼の様子に気づきながらも妹は話を続ける。

妹「さっき水汲みに行った時。ちらっとだけど耳の長い人が見えたんだ~。エルフってもっと怖いものだと思ったんだけど、全然そんな風じゃなかったよ。むしろ格好よかったかも」

子供だからとはいえエルフについて知らない二人ではない。いくら田舎といえど、いや田舎だからこそ昔から言い伝えられてきたことが親から子へと伝わっていく。
だから、エルフがどんな種族でどれだけ恐ろしいのかということは知っていたのだ。それが正しいことかどうかはともかくとして……。
大人ならばここですぐに軍へと報告し、確認を急ぐ。自分たちの身近に命を脅かす存在がいては誰だって落ち着かないからだ。
だが、この二人はまだ子供だったため怖いもの見たさや、親から伝えられた話が本当なのか確認したいという思いがあった。

男「そうだとしても、もし本当にエルフがいるんだとしたら危ないよ。今人とエルフは戦争をしているんだ。もしかしたらこの村だって襲われるかもしれない」

妹「大丈夫だって。チラッと見えただけだから向こうは私たちに気づいていないだろうし。
それに、エルフって誇り高い一族らしいから、いきなり村を襲ったりなんてしないんじゃないかな。あと、私が見たのが本当にエルフなのかもわからないし」

男「う~ん、だとしてもやっぱり父さんと母さんに話しておいたほうがいいよ。外出は控えられるかもしれないけれど、もしもってこともあるし……」

外出が控えられるという単語を聞いて妹の表情に初めて焦りの色が浮かんだ。

妹「そ、それはだめ! ただでさえ面白いことがないのに、外に遊びに出かけるのまでダメになっちゃったら退屈すぎて死んじゃう! 
お願い、お兄ちゃん。このことはもうちょっと内緒にしておいて」

必死に頼み込む妹を見て男は困り果ててしまった。どうしたものかと考えながら、チラリと妹の様子を盗み見るが、瞳を潤ませている妹のお願いはどうにも断りづらかった。

男(でもな~、もし何かあったら怒られるだけじゃ済まなさそうだしな……。どうしよう……)

考えに考えた結果、男の脳裏にある案が浮かんだ。

男「そうだ。それじゃあ、明日僕と一緒にもう一度森に行ってみようか。
それで、妹が言っているエルフがいなかったら見間違いだったってことで。いたらいたで父さんたちにその話をするってことでいいかな?」

兄の提案に妹は少しだけ不満そうにしていたが、やがて渋々と納得の返事をした。

妹「うん……わかった」

そうして二人だけの話し合いが終わると同時に、部屋の外から母が呼ぶ声が聞こえた。

母「二人とも~。お父さん帰ってきたわよ、ご飯にしましょう」

男「わかった、今行く!」

そう言って部屋を出ようとする男。そんな彼の後ろをピッタリとひっつきながら付いていきながら妹が小さく呟く。

妹「ホントのホントに内緒だからね」

どこまでも心配症な妹を見て、わずかに微笑みながら男は答える。

男「わかったよ」

妹の頭をクシャりと撫でて二人は居間へと向かうのだった。

居間に着くといつの間にか帰っていた父親が先に席に座って二人が来るのを待っていた。

父「お、ようやく来たな」

男「お帰り、父さん。仕事の方は一段落したみたいだね」

父「まあな。それよりも水汲み大変だったろ。今日は暑いからな、父さん畑を耕しながら倒れそうになっちゃったよ」

男「それは勘弁してよ。うちの稼ぎ手は父さんだけなんだから……」

父「はっはっは! それもそうだな。まあ、もし倒れたら男を代わりに働かせて父さんはのんびり母さんと過ごそうかな」

男「やめてよ。それ、ただ単に父さんが母さんと一緒にいたいだけじゃんか。僕そんな理由で働きたくないよ」

父「むう、たまにはいいじゃないか。なあ、母さん」

母「そうね、お父さんがそんな軽口を叩けないくらい懸命に働いて倒れたならいいかもしれないわね」

父「あれ? それだと僕のんびりできなくない?」

母「あら、のんびりできるわよ。看病されている間は何もしなくて済むじゃない」

父「そんな解釈ののんびりは嫌だなぁ……」

楽をしたい考えを恥ずかしげもなく子供の前で曝け出す父親に呆れているのかため息をつきながら母は辛辣な言葉を口にする。
そんな二人のやりとりを見て、妹が男にこっそり耳打ちする。

妹「お兄ちゃん、お兄ちゃん」コソコソ

男「なんだ?」

妹「何度見ても不思議なんだけど、お母さんのあれって怒ってるわけじゃないんだよね?」

男「うん……まあ。あれって、実は母さんなりの父さんへの愛情表現なんだよね。少々というかかなり歪んでるけどさ」

妹「端から見たらお父さんに愛想を尽かして文句言ってるようにしか見えないよね」

男「だよね。僕は未だにこの二人がどうして結婚したのかわかんないよ」

変な形の愛情を互いに示し合う両親を眺めながら、二人は静かに食事をはじめるのだった。


――森――

夜が訪れた。男たちの村から少し離れた場所にある森。その中を流れる小川に一つの人影があった。人影はバシャバシャと大きな音を立てながら何度も何度も水を掬い、強く顔に押し付けていた。
その顔には頬を抉る横一文字の深い切り傷が残っている。まだ傷は新しく、傷口が塞がってもなお熱を帯びていた。

傷エルフ「痛い……痛い……」

もう痛みはそんなにしないのに、頬を切られた時の痛みが幻痛となって残っているのだ。

傷エルフ「なんで、どうしてこんなことに。ただ、普通に暮らしてきただけだったのに」

種族が違うというだけで迫害され、話し合いをする場も与えられず、誇りを汚され理不尽な暴力を浴びせられて命を狙われた。
一緒に逃げ出した家族や友人は途中で捕まり、ある者は目の前で殺され、ある者は絶望から命を絶った。
そして、最後に残ったのは己と数名の同胞たち。人の少ないこの森へと逃げ込み、ひっそりと隠れていた。
彼らの種族の象徴ともいえる長い耳をローブをかぶることで隠していた。人とは違うもう一つの種族、エルフ。

住処を失い、友を失い、家族を失い。大切な存在も、誇りさえも汚された彼らは今、変わろうとしていた。

傷エルフ「俺たちが何をした……。住む場所を譲り、ひっそりと暮らしてきた。横暴な人の行動も黙って見過ごし、長い時を耐えてきたはずだ。
 奪いに奪って、好き勝手に生きてきて、それでもまだ足りないというのか……」

水に浸していた顔に爪が食い込んでいく。皮を削ぎ、血を垂れ流し、痛みを感じながらも奥へ、奥へと食い込んでいく。

傷エルフ「許さない、許さない。人は存在するべきでない。奴らはただいるだけで害悪だ。
 誇りがなんだ! そんな物がなんの役に立った。
 女子供は見逃せ、自分たちから手を出してはならない。必要最低限以外の争いは避けなければならない。
 こんなくだらない、古臭いしきたりのせいで俺の家族は、恋人は、友は死んだ! なぜだ! なぜ彼らは死ななければならなかったのだ!」

彼の叫びは森中に響き、天にこだました。いつの間にか周りには生き残った他のエルフたちが立っていた。
悲しみにくれ、そして今怒りをさらけ出している仲間の決断を彼らは見守っているのだ。

傷エルフ「奴らは、滅びなければならない……」

俯いていた傷エルフが顔を上げる。木々の隙間を縫って差し込んだ月明かりが彼の顔を照らす。
そこにいたのは人とエルフの争いが生んだ修羅だった……。

傷エルフ「知らしめてやろう、奴らにも。大切なものを奪われる痛みを……」

そう言って傷エルフが見つめるのは昼間彼が森の中で見かけた子供たちが去っていった先だった……。

朝日が窓から射し込む。日の光によって自然と目が覚めた男は、眠気眼を擦りながら掛け布団を引きはがした。大きな欠伸をしながら横を見れば、そこにはまだ静かに寝息を立てて眠っている妹がいた。
妹を起こさないように足音を抑えて部屋の外へ出る。そのまま家の外へと出て全身に光を浴びる。

男「う~ん。いい天気だ」

周りの家を見渡せば、男と同じように外に出てくる人がちらほらといた。寝ている間に固まっていた身体を動かす事によってほぐし、再び家の中へと戻った。

母「もう起きてたの? 今日は早起きね」

中へ入ると朝食の準備を始めようとしている母が立っていた。男が起きていると思っていなかったのか、少しだけ驚いた様子で彼を見ていた。

男「おはよう、母さん。なんだか目が覚めちゃってさ」

母「珍しい事もあるものね。普段は遅めの起床なのに、これは雨が降るかもしれないわね」

男「そんなこというなんて、息子に対する信頼が低いんじゃないかな」

母「冗談よ。それよりもせっかく早起きしたんだからお願いごと頼まれてくれない?」

男「どうかしたの?」

母「実は料理に使う火を熾すための薪が尽きちゃってね。ちょっと森に行って取ってきてほしいのよ」

男(森か~。昨日の妹の件もあるし、妹を起こして、ついでに森に行っておこう。一人で行くと文句を言われそうだしな)

男「一人で行くのもなんだし妹を連れて行ってもいい? 二人なら持って来る薪の数も増えるし」

母「いいけれど、あの子まだ寝ているんじゃないの?」

男「うん。だから起こして連れて行く」

母「あなたって時々とんでもないことをする子よね。どこかで育て方を間違えたのかしら……」

己の息子の成長ぶりを喜ばしく思いながら、同時にその奇抜さに頭を抱える母。そんな母の心境などしるよしもなく、男は自室へと戻り、未だ眠っている妹を起こし始める。

男「妹。起きて、薪拾いに行くよ」

妹「……うぅん。ん?」

男「あ、起きた? 料理に使う薪拾いに行くから起きてね」

妹「何で私が……。それよりもまだ早朝でしょ? もうちょっとねかせ……て」

男「あ、こらっ! 寝ないでよ。もう、しょうがないな」

一向にベッドから抜ける気配がない妹。起こしにきたときよりも深く掛け布団を被り、日の光が自分に当たらないようにしている。誰でも、気持ちのよい朝を無理矢理奪われるのは嫌なものである。
男も当然そうである。だが、わざわざ一日に二度も森に行きたいと思うほど、男の心は広くなかった。

男「そう……それじゃあ僕だけで森に行っちゃうからね。妹は夜に一人で森に行ってエルフがいないかどうか確認してね」

男のその言葉を聞いて妹は先程までの態度が嘘のようにしっかりと目を覚まし、布団から起き出たのだった。

妹「一人は……いやっ! お兄ちゃんの意地悪!」

イーッと歯を重ね合わせて顔をしかめると、妹は男を部屋から押し出し始めた。

男「えっ!? え? 結局行かないの……?」

戸惑いの声を上げる男を部屋の外に出し終え、妹は強い口調で告げる。

妹「着替えるの! しばらくそこで待っててよ!」

バタンと勢いよく扉が閉まる音が聞こえて妹の姿は消えてしまった。家族とはいえ妹も女の子である。男が家族の事を素直に認められない年頃のように、妹もまた素直になれない年頃なのだった。
だが、まだ男女の仲など詳しく知らない年頃である男は妹の癇癪にため息を吐き、彼女が着替え終わって外に出てくるのを待つ事しかできないのだった。

しばらくして着替え終わった妹が出てきたが、未だ不機嫌なのには変わりなかった。それを見て男は妹に見られないようにこっそりとため息を吐いた。
子供らしい意地の張り合い。どちらとも折れるわけではなく、母に出かけると伝え、二人とも外に出た。
妹の言っていたことが本当なのか確かめるために二人は森へ向けて歩き出す。しかし、横に並ぶのではなく妹は男の一歩後ろを歩く。
意地を張っていてもやっぱり妹のことが気になるのか、男はチラチラと何度も後ろを盗み見てはきちんと妹が付いてきているか確認していた。
必然、前を向く妹と視線が交わる。突然の事に互いに身体が硬直する。しばらくの沈黙の後、男が折れる形で妹に話しかけた。

男「ねえ、もうそろそろ機嫌直してよ」

妹「別に私機嫌悪くなんてないもん」

男「じゃあ、何でそんなに素っ気ないんだよ。だいたい、森に行こうって言ったの妹だろ? 起こしてあげたんだから怒る理由はないでしょ」

妹「言ったもん……」

男「……え?」

妹「だって、お兄ちゃん私に一人で森に行けって言ったもん。私が夜に一人で歩けないの知ってるくせに」

言われてみれば確かに妹は夜に出歩くのを苦手としていた。だが、まさか拗ねている理由がそんな事だとは思わなかったため、男は拍子抜けしてしまい、ほんの少し呆れてしまった。

男「ま、まさかそんな理由で拗ねてたの……?」

妹「い、いいじゃん! 私結構傷ついたんだから!」

プイッと顔をそらしてそっぽを向く妹。その様子を見てなんだか意地を張るのも馬鹿らしくなった男は歩く速度を緩めて妹の横に並び、妹の手をそっと握りしめた。

男「ごめん、ごめん。今度からはそんな事言わないから、兄ちゃんの事許してくれないか?」

妹「……むぅ」

しばらくは顔を背けて男の方を見ようとしなかった妹だったが、やがて少しずつ視線を移し、再び男の瞳と妹の瞳が交わり、

妹「一人でどこかに行けって言わない?」

男「言わない、言わない」

妹「……それじゃ許してあげる」

握られた手をキュッと力を込めて握り返す妹。いつも通り、仲のよい兄妹に戻った二人はそのまま森に向かって歩いて行く。

男(はぁ~。ようやく機嫌が直ってくれたか。ホント、何でこんな事で妹は怒ったんだろうな?)

妹のコロコロ変わる気持ちについて不思議に思いながら、機嫌が良くなったからどうでもいいかと男は思い、笑顔を浮かべていると、その横を数名のローブを被った者達が通り過ぎた。
不意に身体のそこから沸き上がる怖気。息をするのも忘れて、男は彼らを見つめた。ローブの隙間からは見る者を萎縮させる血走った目が見える。そして、その目が己を見つめている男の瞳を捕らえると、ほんの僅かに彼らの口元が釣り上がった気がした。

妹「お兄ちゃん、どうかした?」

その場に立ち止まって動かない兄を不審に思ったのか、妹がグイグイと手を引っ張った。そこでようやく男は正気に返った。

男「いや、なんでもないよ」

妹にそう告げて男は再び歩き出す。最後に一度だけ後ろを振り返ったが、先程感じた怖気はもうしなかった。

男(気のせい……だったのかな?)

胸に残るかすかな不安を抱きながら男は先へと進むのだった。

歩いて、歩いてようやく森へと辿り着いた二人。一般的に見てあまり広くないこの森も、小さな子供二人からしてみれば広大な魔窟。その魔窟にいるかもしれない、噂だけの存在のエルフ。それ探しに森の中へと二人は今まさに踏み入ろうとしていた。

妹「よ、よしっ! エルフを探すよ! 準備はいい? お兄ちゃん!」

家を出るまでの態度はどこへ行ったと言わんばかりに元気よく声を張り上げる妹。道中でつないだ手はそのままに、妹に引きずられるようにして男は森の中へと入って行った。
中に入ってすぐ、男は森に漂う不穏な様子に気がついた。いつもと違う、張りつめた空気。森の中に隠れ住み、普段は声も上げない動物達のざわめき。ピリピリとした空気が男の周りに絡み付く。

妹「お兄ちゃん? どうかしたの?」

幸いというべきか、妹は男が感じているものに気がついていないようだった。それを悟らせないように気を配りながら、男は告げる。

男「どうもしないさ。ただ、エルフを探すのは少しだけにして早めに家に帰ろうか。ちょっと約束があったの思い出した」

咄嗟に口から出た嘘だったが、エルフの探索に付き合ってもらっている手前強く言う事ができない妹は、

妹「わかった……もうちょっとしたら帰ろっ」

と同意した。

それから半刻ほど森の中を二人で手分けして歩き回ったが、エルフがいるという痕跡は何一つ見つける事ができなかった。そろそろ妹に声をかけようかと男が思っていると、いつの間にか己のすぐ横に来ていた妹の方から帰りの提案をするのだった。

妹「やっぱり、見間違いだったかも。付き合ってくれてありがと、お兄ちゃん」

口にしてもどこか納得しきれていない様子の妹だったが、いないものは仕方がない。二人は森を出て村へと戻り始めた。

男「ねえ、もしエルフが森にいて会う事ができたらどうするつもりだったの?」

帰り道、話す事も特になくなり、無言のまましばらく歩いていた二人。隣でぼんやりと空を見上げながら歩く妹に男はそんな質問を投げかける。

妹「えっとね。もしエルフに会う事ができたら私は噂について聞いてみたかったの」

男「噂?」

妹「うん! 本当にエルフは私たち人間の事が嫌いなのかって。だって、実際に会った事もないのに噂だけで酷い奴だって決めつけるのも悪いじゃないかって思って。もし会うことができたなら、話をしてみる。いいエルフだったら友達になれるかもしれないでしょ?」

妹のその言葉に男は少なからず驚きを覚えた。村の大人達の誰もがエルフは敵だと伝える中、妹は伝聞ではなく実際に彼らに会う事でその噂の真実を確かめようとしたのだ。考えた事もない妹のその発言に、男は不意を突かれて驚かされたのだった。

男「妹は……すごいな~。僕はそんな風に考えたことなかったよ」

妹「えへへ~。そ、そうかな?」

男「うん。もしかしたら妹は将来すごい事をする大人になるかもしれないね」

男が素直に褒めると、照れくさいのか妹は顔を赤く染めて恥ずかしそうにそっぽを向きながら頬を掻いていた。

妹「も、もう! そう言う事をサラッと言わないでよ……」

照れ隠しに繋がった手にグッと力を込める妹。そんな可愛らしい反抗に対抗するように男もまたそっと力を込める。固く、固く繋がれた二人の手はそのままずっと離れる事はないと思われた。

だが……。

男「えっ……」

村が視界の彼方にぼんやりと見えるようになった時、男と妹は異変に気がついた。村の方角の空に黒煙がいくつも昇っていたのだ。風に乗って二人の方へと運ばれる黒煙。
すす臭いそれに混じって二人の鼻に届くツンとした刺激臭。吐き気をもよおすその中には、血と肉が焦げる匂いがした。

妹「お、おにいちゃん……」

嫌な予感を感じたのか妹の表情が暗いものに変わる。男もまた同じように不安を感じ妹の手を引いて村へと駆け出した。

息が切れるのも、体力がなくなるのも構わず二人は全力で走った。少しずつ近づく村。鮮明になる建物。そして、黒煙の元や血の匂いの正体が村に辿り着いた二人の前に姿を現す。

男「あっ……。ああっ……」

声にならない言葉が零れる。それもそのはず、目の前に現れた受け入れがたい現実をどう言葉にしていいのか男には分からなかったのだ。
黒煙を上げていたのは村の家屋。そして、血と肉の焦げる匂いを漂わせていたのは男達の友人や……家族だった。

妹「…………」

妹もまた、男と同じように目の前で起こっている現実を受け入れる事ができず呆然とただその場に立ち尽くしていた。

男「な、なんで。みんなが……おかしいよ。どうして、こんな……」

突然の出来事に戸惑い、嘆く男。そんな彼の視線の先にローブを被った人影が幾つも現れる。彼らは男達の前にまで向かって来るとローブを外し、その姿を現した。

傷エルフ「遅い帰りだったな。見ての通り君の村の住人はみんな死んでしまったよ」

ローブを被っていたのはエルフだった。特徴的な長く、鋭い耳。人とは違い、神秘的な雰囲気を醸し出す存在。話にしか聞いた事がなく、男達が探していた存在が目の前にいた。

男「エルフ……?」

予想外の出来事の連続に男の思考が停止する。何故ここにエルフがいるのか。どうして村のみんなが死んでいるのか。そして今から自分たちはどうなるのか……。その答えを知るのが恐ろしくて男は考える事を止めたのだった。

傷エルフ「二人……か。さすがに子供といえど今がどういう状況かくらいわかるだろう。先に教えておいてやるがこの村で生き残っているのはもはやお前達二人だけだ」

傷のあるエルフが告げる言葉に思わず男と妹の喉が鳴る。極度の緊張状態から口の中の水分は消し飛び、身体は硬直する。心臓の音がやけに鮮明に聞こえ、視線はキョロキョロとせわしなく動く。

傷エルフ「俺たちはお前達人への復讐を果たすために動き出した。憎き人を殺すためならば我らはもはや何もためらいはせぬ。だが、皆殺しにしてしまっては意味がない。この憎しみを他の人間共にも知らしめる必要がある。
そのために、一人だけこの村の住人を生かす事に俺たちは決めた。
そして今、この村で生き残った住人はお前達二人だけだ。さあ、選べ。己か、もう一人か。どちらを生かすのかを」

理不尽な、しかし避けようのない選択を突きつけられて男は泣き出しそうになった。自分か、妹か。生き残れるのは一人。確実にどちらかは死ぬ事になる。
家族や友人の死を悲しむ暇もなく、命の秤をどちらか一方に傾けなければならないのだ。

男(いやだ……いやだよ。なんで、こんなことになるんだ。僕たちが何したっていうんだよ!)

チラリと妹の様子を見ると、妹は既に顔面蒼白になり、唇が震えて恐怖に取り込まれていた。あれでは返事をすることすらままならないだろう。

男(僕が、決めるしかない。このままじゃ二人とも殺されちゃう)

究極の選択を前にして男は決断した。それは……

男「僕が……」

傷エルフ「ん?」

男「僕が……代わりになります。だから妹を。妹の命だけは取らないでください。お願いです……」

我慢の限界が来たのか、男の瞳からは涙が溢れ出す。己の命を差し出すという決断を下した事で、それまで必死に抑えていた恐怖がとうとう限界を超えたのだ。

傷エルフ「自分の命はいらないと?」

男「ぼく……は、兄です。妹を……まもら、ないと、いけないん、です。お母さんにそう……言われたから……」

嗚咽を漏らしながらエルフの質問に答える男。それを見て何故かエルフは感心したように頷いた。

傷エルフ「ほう、この状況で俺が言っている事が嘘でないと分かっていてなお己の身を差し出すのか。面白い……」

エルフは腰に下げていた短剣を鞘から抜き出した。それを見て、男は自分が死ぬときが来たのだと悟る。

妹「お兄ちゃんっ!」

覚悟を決めて目蓋を閉じようとした時、張り裂けるほどの声を上げて自分の名を呼ぶ妹の声が聞こえた。彼女の顔はやはり男と同じように涙に塗れ、くしゃくしゃに歪んでいた。
妹を心配させまいと、最後に残った力で必死に笑顔を作ろうとする。

男「だ、だいじょうぶ……にいちゃんは……だいじょうぶだから」

引きつって上手く笑う事ができない男。そんな彼を見てますます涙を流す妹。そして、運命は決した。

傷エルフ「死ね、人の子よ」

咄嗟に目を閉じ、男は己に降り掛かる死を受け入れた。

……



だが、いつまで経っても己に来るはずの痛みや死の感覚は訪れなかった。

おそる、おそる目蓋を開ける。まず目に入るのは己の両手。傷も何もなく、無事だ。
視線を上げる。先程まで目の前にいた傷エルフがいない。
横を向く。
赤い。
血溜まりができている。
妹の、喉が、切り裂かれて、いる。
その瞳が、虚ろに、なって、いる。

男「……なん、で」

理解できない。本来ならば生きているはずの妹が目の前で死んでいた。傷エルフが妹の前に立ち、喉を切り裂いていた。血が、血が、血がダラダラと、ドクドクと、溢れている。
笑う傷エルフ。倒れる妹。そして、男はその場に力なく崩れ落ちた。

傷エルフ「どうだ? 命よりも大事な者を奪われる苦しみは。これが、俺たちが味わってきた痛みや、苦しみだ」

短剣を仕舞い、そのまま傷エルフは男の横を通り過ぎる。他のエルフ達も彼に続くようにその場を後にする。
どれだけ時間が経っただろう。燃え盛る炎は勢いを増し、俯いていた男はようやく顔を上げ、力なく妹の死体へと近寄った。

男「妹……妹。ほら、帰るよ。母さんと、父さんが待ってるよ」

ゆさゆさと妹の肩を揺らし、何度も声をかける男。だが、その言葉に妹が応えることはなかった。

男「だめ、だよ。こんなところで寝てたら怒られるよ。あんまり遅くまで外にいると家の中に入れてもらえないんだから」

既に燃え尽きている自宅を眺めながら男は呟く。だが、妹は応えない。

男「うっ……ううっ……。いやだ、いやだ。こんな……みんな……とうさん……かあさん……いもうと……。やめてよ、ぼくをひとりに……しないでよ」

止める事のできない涙をひたすら流しながら男は死体に声をかけ続けた。それはこの異変に気がつき、街に出稼ぎに出かけていた大人がこの村に帰ってきて男を見つけるまでずっと続いていたのだった。

――施設――

虚ろな瞳で、表情の変わらない少年がいた。身寄りをなくし、行き場のない子供達の集まる施設。その施設で他の子供達がそれぞれ身体を動かして遊んでいる中、ただ一人少年だけが彼らの輪に混じることなく一人でいた。
その瞳に宿るのは己の大切の者達を奪っていった者へ対する憎悪。そして、果てしない喪失感。
彼の頭にあるのはただ、復讐のみ。
そんな少年の視線の先、軍部へと向かう軍人達の姿が目に映る。合法的にエルフと戦う事ができ、復讐をするのにもっとも都合のいい職業。
施設を抜け、少年は彼らの後を追う。失われた存在の代行者として、エルフを殺すために。
こうして、全てを失った少年の物語は始まりを告げる。エルフと人の争い。その果てに何があるのかこの時、彼はまだ何も知らない。

エルフ「……そ~っ」男「こらっ!」 before days 「男の過去~少年編~」

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趣味: 読書、ツーリング、ゲーム、ピアノ、映画鑑賞。

好きなマンガ:
ワールドエンブリオ
修羅の門
     3月のライオン
     エリアの騎士
     フルーツバスケット

好きな小説:ダレンシャン
      白夜行
      スロウハイツの神様
      向日葵の咲かない夏
      白い巨塔など。

好きな映画:プラダを着た悪魔
      ワイルドスピード
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      インセプションなど。

好きなゲーム:キングダムハーツ
       テイルズ
       ルーンファクトリー
       ゼルダの伝説など

好きなアーティスト:福山雅治
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