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女魔法使いたちとの和解

これは、まだ男とエルフが仮の家にいる時のお話。天敵との出会いと、彼らとの和解を描いた物語。

チュン、チュン チュン、チュン

エルフ「ふ……ぁぁああああ。よく寝ました。今日の天気もいいですね! こう天気がいいと、一日のやる気も自然と湧いてきます」ノンビーリ

エルフ「さて、朝食を作らないといけませんね。そ、の、ま、え、に……」コソコソ

ギィィ、バタン

エルフ「男さ~ん。朝ですよ~。……返事がないですね、まだ寝ているみたいです」ニヤッ

エルフ「こっそり、こっそり。男さんのベッドにちょっとだけ……えいっ!」モゾモゾ

エルフ「男さ~ん」ギュッ

エルフ「……!」

エルフ「男……さん?」

男「うぅ……。熱い……」

エルフ(男さんの身体、とても熱いです。これは、もしかして……)

男「……ぁ、エルフ……。おは……よう」

エルフ「大変です! 男さん、熱があります!」アワアワ

エルフ「ひとまず、どれくらいの熱なのか確かめないと……」ピトッ

エルフ「うわぁ……。すごい熱いです、どうにかしないと……」

男「うぅっ……」

エルフ「男さん、待っていてください。すぐに水袋を用意してきますから!」トテテテテ

……



男「ごめん……どうも熱がでた……みたいだ」ウウッ

エルフ「男さん、大丈夫ですか?」ウルウル

男「うん……ちょっと、ふらつくけど大丈夫だよ。それよりもエルフ……ちょっと買い出しを頼まれてくれないか……」

エルフ「なんですか? 無理しないで、どんどん頼ってください! 私、なんでもしますから」

男「ありがとう……。それじゃあ、今メモを書いたからそこに書かれている物を買ってきてくれ……。買うのが無理そうなら……悪いけどおじいさんに頼んで買ってもらってきてくれ」

エルフ「わかりました! 今すぐに買ってきます!」トテテテテ

男「ふぅ……行ったか。大丈夫……かな?」

男「それにしても、熱が出るなんて……。ホント、参ったなぁ……」

――街中――

女魔法使い「困りました……先生のいたはずの家が取り壊されています」

女騎士「本当にここだったの? もしかしたら、記憶違いってことかもしれないじゃないか。ここには一回しか来てないんでしょ?」

女魔法使い「たとえ一回でも、私が先生に関することを忘れるわけがありません。絶対にここは先生の家でした!」

女騎士「そ、そう? まあ、女魔法使いが男に関することを間違えるとは私も思ってないけどさ……」

女魔法使い「もしかしたら引越しをしたのかもしれませんね。これは情報収集するしかありませんね」

女騎士「ねえ、なにも今日中に会わないといけない理由はないし、一度宿に行ったらどう? 女魔法使い、ここに来るまで何度もバテてたじゃない」

女魔法使い「確かにそうですが、先生がいる街に来たので、私の疲れはもうありません。ああ、先生。待っていてくださいね、今会いに行きますから……」

女騎士「駄目だ、こりゃ。本当に女魔法使いは男が絡むと見境がなくなるよ」ハァ

女魔法使い「いざ、先生の元へ。です!」

……



男(うぅっ……熱い……寒い)ガタガタ

男(エルフのやつ、大丈夫かな……。ちゃんと買い物できてるかな……。いざとなったら、おじいさんが買ってきてくれるだろうけど……)ボーッ

男(ダメだ……熱のせいで、うまく考えがまとまらない……。今はエルフが帰ってくるのを待つしかないか……)

ギィィ、バタン

男(あ……扉の開く音。エルフのやつ、帰ってきたのか? それにしては……だいぶ早くないか……)

?「本当に、ここなの? ノックしても誰も返事しなかったけど。それに、他の人の家だったら勝手に入るのはイケナイ事だぞ」

?「ここで間違いありません。何人もの人に聞いたんですから。きっと今はどこかに出かけているんでしょう」

?「それにしたって、家主がいない家に入るのはやっぱり駄目だ。素直に外で待っていよう」

?「女騎士さんは心配症ですね。ここは先生の家で違いないんです。少しくらい待たせてもらっても問題はないですよ。だいたい、そんなことを言うような浅い関係でも私たちはないはずですよ?」

?「なっ!? 心配症で何が悪いんだ。だいたい、親しき仲にも礼儀ありと言うだろう。女魔法使いは少し非常識だぞ」

?「いいですよ、じゃあ女騎士さんは一人で外で待っててください。そもそも、何で今回の訪問に付いてきたんですか? 軍の方って忙しいんじゃありませんでしたっけ?」

?「そ、それは……。べ、べつにいいだろう、私が男の家を訪れたって。戦友なんだし……。そもそも私一人だけが男の家を訪問していないのは不公平だ! みんな勝手に男の元を訪れて……」

?「別に勝手に来たっていいじゃないですか! だいたい、私は騎士さんが止めていなかったらもっと早く先生の元を訪れてました!」

?「私だってそうだ!」

アーダコーダ アーダコーダ

男(頭に響く……。誰だよ、一体……)ムクリ

ギィィ、バタン

フラフラ フラフラ

男「……誰?」

女魔法使い「! 先生! ほら、やっぱりいたじゃないですか!」

女騎士「確かに、いたけど。男の奴ちょっと様子がおかしくないか?」

女魔法使い「えっ……?」ジーッ

男「あれっ? 女騎士……それに女魔法使い。どうして……ここに?」フラフラ

女騎士「お、おい、男……」ダキッ

男「あ……ごめん」

女騎士「うわっ! 凄い熱だ。お前、こんな状態で何してるんだ!?」

男「なにって……うるさかったから……」

女魔法使い「先生、体調悪いんですか?」アワアワ

女騎士「ああ、熱もあるし寝かせておいたほうが良さそうだ」ヨイショ

男「あう」

女騎士「このままベッドまで運ぶぞ。部屋がわからないから案内してくれ」

男「わかった……ごめん、女騎士」

女騎士「気にするな。友人として当たり前のことをしているだけだ」テクテク

女魔法使い「先生、大丈夫ですか、先生?」オロオロ

女騎士「頼むから、女魔法使いは少し黙っててくれ」ハァ

――男の自室――

男「ごめん……な……二人とも」

女騎士「気にするな、困ったときはお互い様だ。それよりも、お前こんな状態になってるのに一人で生活していたのか?」

女魔法使い「先生、先生……」オロオロ

女騎士「とりあえず、女魔法使いは話の邪魔だから部屋の隅っこにいっててくれ」

女騎士「まったく、素直に誰かに頼ればいいものの。そういうことが苦手なのは昔から変わっていないな」

男「いや、そんなこと……」

女騎士「なんだ? もしかして、誰か頼る相手がいるのか……?」ジーッ

男(……あっ。しまった、エルフのことについては騎士しか知らないんだった……。不味い……このままじゃ二人とエルフが鉢合わせしちゃう……)

男「あの……女騎士……」

女騎士「ん? どうした?」

男「ちょっと……話しておかなきゃならないことが……」

ギィィ、バタン

エルフ「男さ~ん。今帰りましたよ~」

女騎士「あっ? 誰か帰ってきたみたいだね。それにしても、この声女の子の……」

男(くそっ……このタイミングで……。どうにかしないと……)

女魔法使い「あ、私が様子を見てきます」テクテク

男「まっ……」

女騎士「まあ、まあ。そんなに無理しない。男の客なら女魔法使いも無下にはしないさ」

男「ちがっ……」

女騎士「なに? もしかして、女魔法使いに会わせたくない相手だったの? ふ、ふ~ん。もしかして、今訪れた子……」

女魔法使い「な、な、な! なんでエルフがこの家に! 汚らわしい一族! お前のようなものがこの家に土足で踏み込んでいいと思ってるの!」ドカッ

エルフ「キャッ……。うぅ、怖いです。何なんです、急に……。あれ、あなた前に男さんといた……」

女魔法使い「喋るな、見るな、息をするな。お前たちみたいな存在がまだ生き残っているなんて……。私が今すぐに息の根を止めてやる!」

男「……っ! エルフ!」ダッ

女騎士「あっ! おい、男っ!」タッタッタッ

女魔法使い「死になさい!」

男「待て! 女魔法使い」ダキッ

女魔法使い「せ、先生!? 離してください、どうして止めるんですか!」ジタバタ

男「その子は、その子はな……」

エルフ「男さんっ!」ギュッ

女魔法使い「あ、お前……。気安く先生に触るんじゃない!」バッ

男「うっ……」ドカッ

エルフ「あっ!」

女魔法使い「えっ……」

男「……」フラフラ

パタッ

エルフ「男さん! おとこさんっ……」ウルウル

女魔法使い「そ、そんな……。わた、わたし……そんなつもりじゃ」オロオロ

女騎士「いったい……これはどういう状況なんだ?」

……



男「ぅ……ぅう」パチッ

女騎士「あ……男。目が覚めたのか」

男「女……騎士? あれ、僕は……」

女騎士「女魔法使いの一撃をくらって今まで気絶してたんだよ。まったく、呼びかけても全然反応がなかったから、少し焦ったぞ」

男「あ……そっか。僕……気絶してたのか……」ムクッ

女騎士「まだ寝ていた方がいい。少しは熱が下がったとはいえ、本調子にはほど遠いだろうからな。それから……一つお前に聞いておかないといけないことがあるんだが……」

男「僕も……二人に説明しておかないといけないことがあるんだ」

女騎士「それは……この家にいるエルフのことについてだな……」

男「うん……。そうだ! エルフ、エルフは大丈夫なの?」

女騎士「今のところは。といっても、女魔法使いは今すぐにでもあの子を殺したがっているけど」ハァ

男「ちょっと、それは駄目だ。あの子は僕にとって大事な存在なんだ……。だからっ!」ケホッ、ケホッ

女騎士「男……。だから、無理するなっていっただろ」サスリ、サスリ

男「ありがとう、女騎士……」

女騎士「い、いや……べつにこれくらいのこと……」テレッ

男「それよりも、エルフは今どうしてるの?」

女騎士「ああ……あの子は今自分の部屋で女魔法使いに睨まれて大人しくしているよ。とりあえず、今すぐにどうこうなることはないと思う」

男「そっか……」

女騎士「私は女魔法使いの様子を見ながら、話が聞けるならあのエルフの女の子から聞いてみるから、今はゆっくり休んでいろ」

男「わかった、ありがとう」

……



女魔法使い「……」

エルフ「……あの」

女魔法使い「……」ジロッ

エルフ「……あぅ」ビクビク

エルフ(うぅ……さっきからずっとこんな状況です。息が詰まります。でも、この人の反応……やっぱり私、というよりエルフのことを嫌っているんですよね。今までもいろんな人にこういう反応をされたことをありましたけど、この人はこれまでで一番酷い反応です)

女魔法使い「なんで……先生。なんで……エルフなんかと」ブツブツ

エルフ(この人、なんだかとっても怖いです……。さっきからぶつぶつ独り言つぶやいていますし……)

女騎士「お~い、中にはいるよ」ギィィ

女魔法使い「あっ! 女騎士さん。先生は、先生は大丈夫ですか?」

女騎士「うん、今目を覚ました」

女魔法使い「よかっ……たぁ。先生があのまま目を覚まさなかったら、私、私……」

女騎士「安心した?」

女魔法使い「はい。先生が目を覚ましたのなら、こいつはもう始末してもいいですよね? 先生もそう言ったんでしょ?」

エルフ「……ひっ!?」ビクビク

女騎士「そのことだけど、この子に手を出すのは駄目。男にとって大事な子みたいだから」

女魔法使い「……そんなっ! だって、エルフですよ!? 私たちにとっての仇敵ですよ! なんで、そんな奴を目の前にして放置しないといけないんですか!」

女騎士「女魔法使い、男が手を出すなって言ってるんだから文句を言わない。それに、エルフとの戦争はもう終わったのよ。ここは戦場じゃないし、私たちもエルフだからといって好き勝手に殺せるような立場でもない」

女魔法使い「そんなの関係ありません! 甘いことを言ってエルフを放置して何か事件を起こしたらどうするんです? そのせいで誰かが殺されるようになったらどうするんです!
 私は、そんな状況が起こると想像するだけで身が震えます。だから、悪い芽は早めに潰しておかないと……」

エルフ「わたっ、私はそんなことしません!」

女魔法使い「黙ってて! 先生はどうして、あれだけエルフを憎んでいたのに……。ずっと、私と同じ気持ちでいてくれると、私のことを一番に理解してくれてるのは先生だと思ってのにどうして……」

女騎士「女魔法使い……」

女魔法使い「私……やっぱり納得できません。エルフと先生が一緒にいるなんてこと認められない。だから、しばらくこの街に滞在することにします」ダッ

女騎士「あっ……どこに行くつもり?」

女魔法使い「宿をとってきます。女騎士さんは私が戻ってくるまでそのエルフが先生に近づかないように見張っていてください」タッタッタッ

女騎士「……」

エルフ「……」

シーン

エルフ「えっ……と」オズオズ

女騎士「そんな不安そうにしなくてもいいですよ。私は女魔法使いたちに比べてエルフにそこまで嫌っていませんから」

エルフ「あ、はい。すみません……」

エルフ(この人はまだ優しそうな人だなぁ……)

女騎士「それで、聞きたいのですが、あなたは男と一緒にここで生活しているのですよね?」

エルフ「はい、そうです。私、男さんの奴隷として買っていただいて」

女騎士「そう……奴隷、ね。でも、男の口ぶりじゃそれ以上の存在として大切にされてるみたいだったけど?」

エルフ「えと、それは……」

女騎士「まあ、無理に話さなくてもいいわ。いざとなったら男に聞くことにするし。それと、ごめんなさい」

エルフ「えっ?」

女騎士「女魔法使いのこと。さすがに、行きすぎた行動だと思うけれど、あの子のことを知ってるだけに下手に止めるわけにもいかなくて。嫌な気分になったでしょ?」

エルフ「いえ。それは、私がエルフだから悪いのであって、別にあの人のせいではありませんから。それに、こういった扱いには慣れていますから」

女騎士「そう……」

エルフ「あの、女騎士さん……」

女騎士「なんですか?」

エルフ「聞かせていただけるのでしたら、なんであの人が私のことを、というよりエルフをあんなに嫌うのか教えていただけませんか?」

女騎士「……」

エルフ「あっ、無理なら別にいいんです。少し気になっただけですから……」

女騎士「う~ん、その話なら私よりも男に話を聞いたほうが早いですよ。彼女のことを一番知っているのは男ですから」

エルフ「えっ!? そうなんですか?」

女騎士「ええ。だって、身寄りのない彼女を引き取ったのは……男ですから」

……



チュンチュン、チュンチュン

男「よし、熱も下がったし体調もよさそうだ。ひとまず、女魔法使いたちに事情を説明しないといけないな」テクテク

ギィィ、バタン

男「おはよう、エルフ……」

女魔法使い「あ、おはようございます先生」

女騎士「あ、男か。ようやく起きたな。もう大丈夫なのか?」

エルフ「……」

男「あ……うん。まあ、熱も下がったし大丈夫だけど。それよりも二人はいつからここに? てっきり帰ったと思ってたけど」

女魔法使い「エルフがこの家にいるのに私がそれを放置して帰るわけないじゃないですか。近くの宿の部屋を借りて、私と女騎士さんで交代でエルフを見張っていたんですよ」

女騎士「と、いうわけだ。女魔法使いがしばらくこの街に滞在すると言ってな。こいつ一人を置いていったら何をするかわからないから私も一緒に滞在することにしたんだ」

男「そうなのか。それよりも女魔法使いはどうして料理を作ってるんだ?」

女魔法使い「いえ、いつも料理はそこのエルフが作っていると聞いたので。エルフが作ったものを先生に食べさせるわけに行きませんので、私が代わりに作っているんですよ」

男「……そう、か」

女魔法使い「大丈夫です、先生。きっと先生は一人でいる時間が長かったからエルフに対して寛容になってしまっているんです。こんなことになってると分かっていれば、もっと早くに先生の所に来て私が支えになるべきでした。
 先生に拾ってもらっておいて、先生の状態に気がつかなかった私は弟子失格です」

男「女魔法使い……」

女騎士「……」

女魔法使い「先生、すぐに料理をお持ちするのでもう少し待っていてくださいね」ニコッ

男「しまったな……。こんな風になるとわかっていたから前は女魔法使いにエルフを会わせないようにしていたんだけど」

女騎士「すまない、男。私もお前がエルフと住んでいるっていうことを知らなかったから……」

男「いや、いいんだ。僕が騎士にエルフのことを伝えないでいてくれってお願いしていたんだから。むしろ、女騎士には前にあったときにでも話しておくべきだったと後悔しているところだ」

エルフ「すみません、男さん。私のせいで……」

男「エルフは何も悪くないさ。ただ、女魔法使いがこうなるのも僕にはわかるから……。とりあえず、どうにか女魔法使いが納得できるように説得するからもう少しだけ我慢してくれるか」ナデナデ

エルフ「はい、わかりました。私、頑張ります」ニコッ

女騎士「なんだか、お前も大変だな……」

男「まあ、自分で選んだことだしね。これくらいは覚悟の上さ。最悪女魔法使いには軽蔑されることになるかもしれないけど」

女騎士「そのへんの話は後で聞くとするよ。――っと、料理ができたみたいだな」

女魔法使い「朝食なので、簡単なものですけれど。どうぞ」コトッ

男「ありがとう……って、エルフの分は?」

女魔法使い「……どうしてエルフにまで料理を出さなくちゃいけないんですか?」

男「……はぁ。彼女は僕の家族だから、エルフだとかそういうの抜きにして扱ってあげることはできないかな?」

女魔法使い「……わか、りました」ギリギリ

コトッ

女魔法使い「……どうぞ」ジロッ

エルフ「あ、ありがとうございます」ビクビク

女騎士「……やれやれ」ハァ

……



女魔法使い(先生は変わってしまいました。エルフを家に置くなんて昔の先生だったら考えられません)

女魔法使い(戦争中、家族をエルフに殺されて軍に入って。そこで騎士さんや、女騎士さんと出会った先生)

女魔法使い(そんな先生に家族を失って途方に暮れていた私は救ってもらった)

女魔法使い(だから、そんな先生の力になりたくて魔法を教えてもらって一杯勉強して。大っ嫌いなエルフをたくさん倒して、殺してきた)

女魔法使い(そんな私を戦争中先生は何度も褒めてくれた。よくやったな、えらいなって。だから、私はそんな風に褒められるのが嬉しくって一杯、一杯エルフを殺してきた)

女魔法使い(だというのに、今目の前にいるエルフに先生は手を出すなっていう。なんで、先生。あんなにエルフを嫌っていたのに、家族を殺された憎い相手だって言っていたのに……。どうしてそのエルフだけ特別扱いするんですか?)

女魔法使い(私は、先生がいなくなってからもずっと先生に褒めてもらえるように頑張ってきましたよ。魔法の勉強も欠かさずに続けて、私みたいに戦争の被害にあった人のケアにも行きました。少しでも人の役に立てるようやれることは精一杯やってきました)

女魔法使い(なのに、どうして私のことを今まで一番理解してくれていた先生がこれまでの私を否定するようなことをいうんですか?)

女魔法使い(憎かったんじゃないんですか? 殺したいんじゃなかったんですか? 大事な人たちを、仲間を私たちはこいつらに殺されてきたんですよ?)

女魔法使い(先生は、変わっていまいました。私がしっかりしていなかったから……)

女魔法使い(先生、先生。大好きな先生。私が絶対に先生の目を覚まさせてあげます。それが、先生に拾っていただけた私にできる恩返しです)

エルフ「男さん、私はどうしてればいいでしょうか?」

男「えっと、基本的にはいつもと同じようにしてくれて構わないよ。もし、女魔法使いが何か言うようなら僕が言っておくからさ」

エルフ「はい。それじゃあ、今日もお仕事頑張りますね!」トテテテテ

男「ふう、ひとまずエルフの方はこれでいいとして……」チラッ

女魔法使い「……」

女騎士「もう話せる準備はできたのか?」

男「ああ、それじゃあちょっと長くなるけれど二人とも話を聞いてもらえるかな?」

……



男「というわけだ。僕は戦争が終わってこの街に滞在するようになった。そこで、今はもういない旧エルフと出会って、エルフに対する考えが少しずつ変わって、今のエルフを引き取る事にしたんだ」

女騎士「なるほど……な。あれほどエルフを嫌っていたお前があの女の子を傍に置く理由が分かった気がするよ。それに、彼女を大事にするのはその旧エルフに対する後ろめたさがあるからか?」

男「それもないとは言えない。でも、僕はあの子を家族のように、大事な存在だと思ってるんだ。だから、できることならエルフだからって偏見を持たないであの子に接してあげてほしい」

男(さすがに、エルフとのホントの関係を言うわけにも言わないしな…… 。嘘はついていないし、これくらいまでなら話していても大丈夫だろう)

女騎士「私は…… 別にエルフを差別的に見るつもりはない。かつては仇敵だった相手とはいえ、もう戦争は終わってるんだ。
 確かに最初は警戒しながら接する事になるかもしれないが、相手が良いエルフであるのなら、こちらの態度もきちんとしたもので返すつもりだ」

男「そっか……。女魔法使いは、どう?」

女魔法使い「私は……無理、です。そもそも、先生がどうしてそんなことを言うのか理解できません。
 先生、私たちにとってエルフ族は敵だったはずです。ちょっと、甘い顔を見せたからって気を許すのは間違っています」

男「女魔法使い……」

女魔法使い「でも、大丈夫です。私がきっと先生を元の先生に戻しますから。エルフに毒された先生には今の私の言っている事が理解してもらえないかもしれないですけれど……。でも、きっと……」ニコッ

男「……」

女騎士「男、今の女魔法使いには何を言ってもきっと無駄じゃない? だから、少しずつ時間をかけて理解してもらうのが一番だと思うよ」ボソッ

男「そうだね、僕もそう簡単に女魔法使いが納得するとは思っていないから……。でも、分かってもらえるよう努力するつもりだよ」

――男の自宅――

エルフ「男さーん、洗濯物取り込みましたよ!」

男「そっか、ありがとねエルフ」ナデナデ

エルフ「えへへっ」テレッ

女魔法使い「……」ジッ

エルフ「はっ!? あ、あの男さん。すみません、次の仕事がありますから」サッ

男「あっ、エルフ……」チラッ

女魔法使い「先生、私にも何かお仕事をください」ニコッ

男「いや、そんなことをさせるわけには……」

女魔法使い「私もあのエルフと同じように先生に拾われた身です。本来であればこのように自由にしていられるような立場ではないですし。言ってくださればこの身も心も先生の好きにしてくださって構わないんですよ?」

男「馬鹿っ、そんな事を軽々しく言うもんじゃない」

女魔法使い「私は、本気です。先生のためなら私の全てを捧げても構わないと思っています。ですから、先生。私にも何かを……」

男(これは……不味いな。今の女魔法使いは出逢ったばかりの頃の状態に戻ってる。
 僕がいなくなっても女騎士や騎士と上手くやってるって話を聞いてたし、前に会った時にだいぶ普通になっていたから安心していたけど、今のこの子はまた僕に依存していた時に戻っている。
 こうなったきっかけは、やっぱりエルフの件だよな……。今まで彼女を肯定し続けていた僕が今は否定する立場になったから居場所がなくなると考えたんだろうな……。
 だから、こんな風に自分を守ろうと必死に……。そんな彼女を僕には拒絶する事はできない……。
 エルフの件も、女魔法使いの件も僕が責任を負わなきゃならないんだ。それが、彼女達を引き取った僕にできることだ)

男「わかったよ、女魔法使い。それじゃあ、君にも仕事を与える」

女魔法使い「あ、ありがとうございます!」パァァッ

男「ただし、一つ条件がある。これが聞けないのなら仕事はさせない」

女魔法使い「なんですか?」

男「仕事はエルフと協力してやる事。その際に嫌がらせとかするのは禁止。これだけだよ、できる?」

女魔法使い「……それ、は」

男「無理しなくてもいいよ。別にエルフに任せても大丈夫だから」

女魔法使い「それは嫌です! やります、私頑張ります!」タッタッタッ

男(ごめん、女魔法使い。僕はきっと君に酷い事を言っている。でも、僕は君にももっと広い視点で物事を見てもらいたいんだ。僕が旧エルフに出会って変われたように。
 たしかに、戦争中僕らはエルフを憎んで、戦ってきた。でも、もう戦争は終わったんだ。いつまでも同じ場所で立ち止まり続ける事はできないんだ……。どんな形でも前に進まないと……いけないんだよ)

……



女魔法使い「どいてください、その仕事は私がやります」

エルフ「あ、え? はい、すみません」

女魔法使い「……」タタミ、タタミ

エルフ「……」ジーッ

女魔法使い「……」タタミ、タタミ

エルフ「あの……女魔法使いさん」

女魔法使い「……なんですか」プイッ

エルフ「あ、いえ。なんでも、ないです」ショボーン

女魔法使い「……なら、話しかけないでください。私だって、先生の言葉がなかったらエルフとなんか……」

エルフ「あぅ……」

エルフ(女魔法使いさん、やっぱり全然返事を返してくれません。でも、一体どうして急に仕事の手伝いをしてくれるようになったんでしょう。
 もしかして、私を男さんから離すためにいらない子にしようとしてるんでしょうか……。でも、負けません! 私は、私で頑張ります)トントン コトコト

女魔法使い「……」ジーッ

エルフ「はっ! お、女魔法使いさん……」

女魔法使い「協力、協力……。先生の言う事は絶対聞かないと……。そうしないと、私はまた一人になっちゃう……」

エルフ「女魔法使いさん? どうしたんですか、具合でも悪いんですか?」

女魔法使い「!? 何でもありません。それと、その余った食材を捨てないで料理に使えます。貸してください」

エルフ「は、はいっ!」オズオズ

女魔法使い「先生への料理に不格好なものを出すわけにはいきません」トントン コトコト

エルフ「……」ジーッ

女魔法使い「……」チラッ

エルフ「……」ジーッ

女魔法使い「はぁ、言いたい事があるなら言ってください。ジロジロ見られても困ります」

エルフ「あ、すみません……。ただ、女魔法使いさんは料理が上手だなって……」

女魔法使い「当然です、先生に習いましたから」

エルフ「男さんに?」

女魔法使い「そうです。身寄りがなくなって彷徨っていた私を先生は拾って色んな事を教えてくれました。料理や、魔法。敵から身を守る術や生きるために必要な事を。だから、私にとってあの人は“先生”なんです」

エルフ「そう、なんですか。じゃあ、私と同じですね!」

女魔法使い「あなたと……?」

エルフ「はい! だって、私も男さんに拾われて色んな事を教わりましたから。だから、女魔法使いさんは私にとって先輩みたいなものですね」ニコッ

女魔法使い「……」ジッ

エルフ「あ……すみません、私調子いいことを言って。女魔法使いさんはエルフが嫌いなのに……」

女魔法使い「……後はあなたでもできます。私はちょっと考えるべき事があるので」サッ

エルフ「はい、ごめんなさい」シュン

女魔法使い「……」テクテクテク

……



女魔法使い(私が、あのエルフと一緒? 一体、何を言っているのですか。エルフと人間が一緒なわけないじゃないですか)

女魔法使い(私は、先生に拾われてから先生の信念を、覚悟をずっと傍で見てきたんです。なのに、急に現れてあの人の隣を奪って行った憎いエルフ族と私が一緒ですって?)

女魔法使い(何も知らないくせに……あの人の事をなんにも知らないくせに。先生の事を一番理解できるのは私なんです。私が一番あの人の傍にいたんです!)

女魔法使い(でも……今の先生は私には分からない。あれは、私の知らない先生だ……。でも、あのエルフは私の知らない先生について知っている。それが……私にはとても悔しくてたまらない)

女騎士「あれ? 女魔法使い。こんなところで何しているの?)

女魔法使い「女騎士さん……」

女騎士「どうしたの、何か考え事?」

女魔法使い「そんなところです。女騎士さんは買い物の帰りですか?」

女騎士「そう。誰かさんが急にこの街に滞在するって言うから必要なものをちょっとね」

女魔法使い「すみません、急にこんなことをして」

女騎士「まあ、滞在するって決めちゃったからね。いいわよ、気持ちはわからなくもないから。だって、女魔法使いってば昔っから男にべったりだったもんね。そりゃ、あのエルフの女の子に焼きもちを焼いたりするわよね」

女魔法使い「違います! そんなつもりで私はここにいるんじゃありません! 私はただ……」

女騎士「いいの、いいの。まあ気づいていないだろうとは思っていたから。でも、これはある意味でいい機会なのかもね……」

女魔法使い「何の事です……」

女騎士「ん? それはね、女魔法使いと男が本音でぶつかり合える機会なんじゃないかってこと」ニコッ

……



男(女魔法使いがこの街に来てからもう数日が経った……。未だにエルフと女魔法使いの仲は良くなる気配が見えない)

男(家の仕事を協力してやるようにと言ったけど、ほとんど女魔法使いが仕事を片付けてしまっているな。エルフは女魔法使いに遠慮しちゃってる見たいだし……)

男(このままじゃ、駄目だって分かっているんだけど、上手い手が見つからないしなぁ……。はぁ、どうしようか)

エルフ「おとこさん、男さん」

男「エルフ? あれ、女魔法使いは?」

エルフ「女魔法使いさんは買い出しに出かけました……その、私がいると買い物の邪魔になると……」

男「そっか……ごめんね、我慢ばかりさせて……」

エルフ「いえ、私は大丈夫なので気にしないでください」

男「そう言ってもらえるとありがたいよ。魔法使いも本当は悪い子じゃないんだ。でも、エルフ族に対して思うところがあるから、あんな態度をとっているんだ。そうなった原因は僕にもあるから……」

エルフ「仕方ないですよ。男さんみたいに私たちを受け入れてくれる人の方が少ないんですから」

男「エルフ……」

エルフ「でも、私頑張ります! 女魔法使いさんに私のことを受け入れてもらえるように……」ニコッ

男「うん、僕も頑張るよ。だから、頑張っているエルフにちょっとだけご褒美を……」

エルフ「えっ!?」

男「……」チュッ

エルフ「あっ……///」テレッ

男「ごめんね、今の僕にできるのはこれが精一杯だから」

エルフ「いえ、そんな……。これだけで、私には充分ですよ……」テレテレ

ガタッ

男「!」

エルフ「!」

女魔法使い「そんな……。先生、今エルフにキスを……」

男「いや、これは……」

女魔法使い「……」ウルウル

ダッ 

男「女魔法使い!」

エルフ「……」

男「…しまったな。エルフとの関係について落ち着いてから説明するつもりだったのに……」

エルフ「男さん……」

男「こうなったら全部話すしかないか……。ごめん、エルフ。今から女魔法使いに全て話してくるよ」

エルフ「わかりました。私は、ここで待っています」

男「ありがとう。それじゃあ行ってくる」タッタッタ

……



女魔法使い「先生がエルフと……。そんなはずは、何かの見間違いです……」

女魔法使い「そうですよ、先生に限って……。先生は他の人と違って私の事を裏切らないんです……」

女魔法使い「ぜんぶ、全部あのエルフが悪いんだ……。私の先生を惑わしているんだ、そうに違いない……。決めました。
 今からあのエルフを殺して先生の目を覚まさせます。最初は先生も傷ついて私に対して嫌な顔をするかもしれないですけど、いつかきっと分かってくれるはずです」

女魔法使い「先生……」

男「女魔法使い!」

女魔法使い「! 先生! やっぱり、私のところに来てくれたんですね」

男「何のことを言っているんだ? それよりも、さっきのことを説明するから」

女魔法使い「そのことなら大丈夫ですよ。私が今からエルフを殺してきますので……。先生はここで待っていてください。すぐに済みますから」ニコッ

男「――ッ!」パンッ

女魔法使い「……えっ。……せん、せい……」

男「女魔法使い、一度頭を冷やせ。戦争は終わった、世界は、状況はもう変わったんだ。いつまでも同じままじゃいられないんだ!
 確かに、今は世界がエルフを拒んでいる。でも、いつかはそんな状況も変わるんだ。
 人もそうだ、時と共に変わって行く。僕だって昔戦争に参加してエルフをたくさん殺してきた。
 理由はどうあれ命を奪ってきたんだ。その行為が消える事はないだろう。
 エルフの中には仲間を殺された事から僕の事を恨む者も現れるかもしれない。でも、それでも僕はその罪を背負いながらこれからも生きていきたい。
 それが、旧エルフとそしてエルフと出会って変わる事のできた僕が出した結論なんだ」

女魔法使い「そんなに……そんなにあのエルフの事が大事なのですか! 私じゃ、私じゃ駄目なんですか!?
 私なら先生の力になれます、あのエルフよりもずっと、ずっと……ッ!」

男「違う、違うよ女魔法使い。役に立つとか、立たないとかの問題じゃないんだ。僕が、僕自身があの事一緒に居たいんだよ。理由なんてそれだけだ」

女魔法使い「先生も、先生も私の事を見捨てるんですか? 戦時中一緒に逃げていた私を見捨てた親のように……」ポロポロ

男「見捨てないよ……僕は。君の事は最後まで面倒を見るつもりだ。それが、君を拾った僕の責任だ」

女魔法使い「せんせい……」

男「でも、僕は君を選ぶ事はできない。君は僕にとって妹のようなものなんだ。家族なんだ。
 もちろん、騎士や女騎士もそうだ。だから、そういった目で君を見る事はできない……。たぶん、これからもずっと……」

女魔法使い「……それが、先生の出した答えなんですね」ポロポロ

男「ごめん、女魔法使い。君が傷つくのを分かっていて、それでも僕は告げないといけない。
 じゃないと、いつまで経っても君は僕に依存してしまうから……。
 前にも言ったけど、僕は君にもっと世界を見てほしいんだ。だから……」

女魔法使い「わか……りました。でも、家族としてなら甘えてもいいんですか?」

男「ああ、それならいつでも頼ってくれ。一度君たちに何も告げずに姿を消した僕が言っても信用できないかもしれないけどね」

女魔法使い「信じますよ、私は。だって、私の先生ですから……。先生なら生徒を見捨てたままにしないはずでしょ?」ニコッ

男「女魔法使い……。うん、そうだね。君が望んでくれる限り僕は君の“先生”でい続けるよ」

女魔法使い「はい……先生」テクテク ポフッ

男「女魔法使い?」

女魔法使い「少しだけ、胸を貸してください。それくらいは私にも望む権利はありますよね」

男「ああ。好きなだけ貸してあげるよ……」

女魔法使い「うっ、うぅっ……うぇぇええええん……」ボロボロ ボロボロ

男「……」

……



女魔法使い「ありがとうございました、先生。もう大丈夫です」

男「そっか……」

女魔法使い「泣いた分少しだけすっきりしました」ニコッ

男「よかったよ、服がびしょびしょになった甲斐があったものだ」

女魔法使い「す、すみません……」

男「いや、いいよ。それで、女魔法使い。エルフの事だけど……」

女魔法使い「先生、私やっぱりまだエルフの事は許せません……」

男「そっか……」

女魔法使い「でも、先生の言った通りもう少し広い視点で物事を見てみようと思います。
 エルフを受け入れる事はすぐには無理です。でも、彼らを見て私なりの判断をしてみる事にしました」

男「女魔法使い!」

女魔法使い「だから、まずは……」

――男の自宅――

エルフ「えっと、これはどういう事なんです……」オドオド

女魔法使い「私、しばらくこの街に滞在してエルフの観察をすることにしました。そのために、まずは身近なエルフとしてあなたを観察対象に選びました。なので、これからよろしくお願いします」ニコッ

エルフ「男さぁ~ん……」ウルウル

男「えっと、ごめんエルフ。こればっかりは僕も止めようがないよ」

女魔法使い「それと、私の目の黒いうちは二人に不純な行動をとらせませんので、よろしくお願いします」

男「あははははっ……」

女魔法使い「それでは先生、これからもご指導よろしくお願いしますね」ニコッ

女騎士「男もこれから苦労しそうだな……」ハァ

エルフ「……そ~っ」男「こらっ!」 after story 女魔法使いたちとの和解 ――完――
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建野海

Author:建野海
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名前:建野海

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好きな食べ物: 和菓子、洋菓子などデザート類。

趣味: 読書、ツーリング、ゲーム、ピアノ、映画鑑賞。

好きなマンガ:
ワールドエンブリオ
修羅の門
     3月のライオン
     エリアの騎士
     フルーツバスケット

好きな小説:ダレンシャン
      白夜行
      スロウハイツの神様
      向日葵の咲かない夏
      白い巨塔など。

好きな映画:プラダを着た悪魔
      ワイルドスピード
      僕駐
      インセプションなど。

好きなゲーム:キングダムハーツ
       テイルズ
       ルーンファクトリー
       ゼルダの伝説など

好きなアーティスト:福山雅治
          宇多田ヒカル
          UVERworld
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