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輪獄の囚人

フラム国を揺るがすような事件が起こってから既に一週間の月日が流れようとしていた。現在、フラムの首都ハイルでは事件の後処理や事件の実行に関わったとされる貴族派の騎士たちの処分。また、間接的、直接的に貴族派の騎士の支援を行ったとされる貴族たちの処遇について話が進められていた。
 ひとまずのところ、反乱に加担しなかった騎士たちにより、一時的に騎士団は機能されており、一般市民たちは事件の再発という不安を抱えながらも日々を過ごしている。
 そして、城内では女王や皇女であるウィンディ。また、今回の事件を解決するにあたって尽力したエルロイドたちによって会議が開かれ、一連の処遇についてやそれに関する書類、実務の後処理が行われていた。

「ふう……戦いは終わっても一息をつく暇もないとはね。全く、とんだ置き土産を残してくれたものだな」

 まだ完治していない右手に走る痛みを感じながら己の執務室でエルロイドは愚痴を漏らした。

「隊長、そんな愚痴を呟く暇があるのなら一枚でも多く書類に目を通してください。ただでさえ手が足りないんです。サボっていられたら仕事は増えていく一方ですよ」

 そんな彼のすぐ傍でエルロイドが目を通し印を押した書類の確認をし、次々と新しい書類を彼の前へと運んでいく一人の女性。

「やれやれ。こんなことなら私も重症を負ってベッドの上で療養していられたほうがよかったかもしれないな」

「……冗談でもそのようなことはおっしゃらないでください。本気で怒りますよ」

 背後から感じる鬼気迫る気迫に思わず冷や汗を流すエルロイド。

「すまない、場を和ませるための冗談のつもりだったんだ。許してくれ、ミレーヌ」

「はぁ……。しっかりしてください、ただでさえ今この国の状況は危ういんですから。一応私たちの勝利ということで落ち着いていますが、足場の固まっていない今の状況を狙ってまた反乱が起きたりでもしたら今度は止められるかどうか……。
 それに、次にそんなことが起これば今度こそ確実に一般市民にも被害が出て、間違いなくこの国は荒れるんです。だからこそ、私たちがしっかりして民衆の不安を取り除かないといけないんですよ?」

「ああ、そうだな。君の言うとおりだ。それに、今回の件で私たちの戦力にも大きな被害が出たからね。もし仮にまた反乱が起こったら今度は止められる自信がない」

 そう呟くエルロイドの脳裏には四人の男女の姿があった。
 一人目はアイル。先の反乱での戦闘で騎士による重い一撃を受けてしまい、反乱の鎮圧から二日後、意識を取り戻したものの戦線復帰にはしばらくの時間がかかるとの判断をくだされた。
 二人目はリオーネ。彼女は反乱の際に十二支徒の一人と戦い、結果的に相手を退けたもののその代償は大きなものだった。全身には打撲の痕が残っており、折られた骨が治るのにもしばらく時間がかかる。中でも一番の被害は左手だ。十二使徒の一人、エンリカを退ける際に使用した魔術による反動で、彼女の左手は深刻なダメージを受けており、現在肘から先は全く動かない状態になっていた。
 これはリハビリを行ったとしても治る可能性がとても低く、治るとしても完治までにどれほどの時間がかかるかわからない。片手で剣を扱うにしても今までとは違った戦闘の仕方を行うことになるため、その調整にもまた時間がかかってしまう。
 よって、彼女は現在先の反乱を鎮圧した英雄の一人として更に知名度を上げているが、現実ではほとんど戦力外通告を受けている状況になってしまっているのだ。
 そして、三人目はグラード。言うまでもなく先の反乱の首謀者として既に民衆の間にもその事実は広まっており、最初はなぜ彼がという疑問の声も多く上がっていたが、日が経つにつれて次第にその声は小さくなり、代わりに国に混乱や不安をもたらしたことに対する恨みや怒りの言葉が死した彼にぶつけられるようになった。
 そんな彼はエルロイドが騎士団に入団した頃からの知己であり、彼の信頼する同僚の一人でもあった。巷では彼は権力を欲して反乱を起こしたと言われているが、エルロイドだけは彼が何を望んであの反乱を企てたのかを理解していた。
 そう、全ては平民派と貴族派の争いに終止符を打ち、真の騎士団を作り出すため。そのために彼は自ら進んで新たな組織の人柱となったのだ。できることならば、この事実を今すぐにでも誰かに伝えたいエルロイドであったが、死の間際にグラードと交わした己の胸の内に秘めておくという約束に従い、彼はこの事実を誰にも伝えることはなかった。
 そして、最後の一人はフィード。十二使徒を追ってこの国を訪れ、半ば強引に騎士団に引き込み一連の騒動の解決の力添えになってもらった彼であったが、先の戦いでは十二支徒と相打ちになったようだった。幸い、怪我の治りも早かったため戦いの翌日にはもう動けるようになっていた。
 エルロイドとしては事件の後処理もあるためしばらくの間ここに残っていてもらいたかったが、フィード自身十二支徒との戦いでなにか考えることがあったのか、三日前にリオーネの意識が戻り彼女の今後について話しをし、その翌日クラリスという少女を連れてこの国を旅立ちセントールへと向かっていった。

「ふむ。彼にはもう少しここにいて欲しかったのだがな……」

 思わずそう口にすると、その相手が誰のことかを察したミレーヌが嫌な顔をして反論した。

「お言葉ですが、私は彼がいなくなって清々しました。だいたい彼がこの場にいてもロクなことがありません。騎士団から去ってくれて嬉しく思いますよ」

「だが、彼がいなかったら私たちはこの反乱を止めることはできなかっただろうな」

「それは……そうですね。まあ、そこだけは素直に感謝していますよ」

 なるで照れ隠しのように冷たい物言いで感謝の念を口にするミレーヌ。そんな彼女を見て苦笑するエルロイド。

「さて、今頃彼はどうしているか……」


風により葉をたなびかせる草木。無限と思えるほど広大な草原地帯を今、フィードは馬に乗り駆けていた。
 フラムを出て既に三日。馬にとって無理をかけないペースで走っているため、セントールに着くまで早くても後二日はかかる。
 比較的速度を抑えての行進。とはいえさすがに病み上がりにの身体に長距離の移動は堪えるのか体力はすぐに消耗されていく。馬の休憩も兼ねて、身体を休めることにフィードは決めた。

「少し休もうか、クラリス」

 馬の首とフィードの身体の間にスッポリとはまり、彼に支えてもらう形で乗馬している少女にそう提案するフィード。クラリスはその問いかけにコクリと頷き、先に馬から降りたフィードが手綱を木々に括った後、馬の上から抱きかかえられて地面へと降ろされた。
 未だ言葉を発することのない彼女だったが、それでも以前よりはその表情に感情を見せるようになっていた。とはいっても、それもまだうっすらとしたもののため、ほとんど変化していないのに変わりないが……。

「ほら、喉渇いたろ。水飲んでおきな」

 持っていた木製の水筒をクラリスに手渡し水分を補給させる。その間フィードはここまで足となってくれている馬の元に行き、持っていたもう一つの水筒から水を垂らし馬に飲ませる。

「お前もお疲れさん。ありがとうな、長い距離を走ってくれて」

 フラムを出国する際、事件解決の礼として渡された馬。毛色は茶色のよく走る雄馬だ。まだ若いのか、ゆっくりとしたペースで走っているとどうにも速度を上げたがるのが困った点である。
 そんな馬に水分補給と固形物の甘味を食させ、疲労を回復させるフィード。そんな彼の元に水を飲み終えたクラリスが近づき水筒を手渡した。

「ん。ありがと、クラリス」

 お礼とともに彼女の頭をクシャりと撫でるフィード。クラリスは少しだけうつむき虚ろな瞳のまま照れたような仕草を見せた。
 それからしばらく、草原に腰掛け休息をとった二人は再び馬に跨りセントールに向かって走り出した。
 道中、少しでもクラリスの心が回復すればとフィードは他愛のない話しを何度も語った。

「クラリス。俺たちは今セントールに向かってるけれど、向こうについたらクラリスにはそこで俺と一緒に暮らしてもらおうと思っている。
 クラリスに一体何があったのかはまだわからない。きっとクローディアの件があってからフラムに向かって色々とあったんだと思う。
 でも、俺はクラリスには前みたいに明るく笑っていて欲しい。だから、ゆっくりと時間はかかってもいいからまた笑えるように頑張っていこう。
 前に会ったから覚えてるかもしれないけれど、これから住むことになる宿ではクラリスを温かく迎えてくれる人しかいないはずだ。
 グリンさんは面倒見がいいから何も言わずクラリスの面倒を見てくれると思う。まあ、後で俺が小言を言われそうだけどね。
 イオはまたライバルが増えたとか言いそうだな。気持ちを寄せてくれるのは嬉しいけれど、あの子はちょっと嫉妬深いところがあるからなぁ。
 クルスにはまた新しい女の子を手込めにしたとか茶化されそうだ。そうそう、レオードのやつにももう長いこと会ってないな。帰ったら一度店に顔出してやらないとな。
 それと、アルのやつも……。これからのことどうするか考えたかな?」

 遠い目でセントールのある方角を見つめるフィード。そんな彼をクラリスは静かに見つめていた。

「……っと、ごめんごめん。なんか俺が気になっている話になっちゃってたな。もうすぐ村に着くはずだから今日はそこで休もう」

 二人は馬に揺られながら近くの村へと向かっていった。そして、日が沈むころには目的地の村についた二人であったが、そこで彼らは信じられない話を耳にすることになった。

「……セントールが襲われたッ!?」

 村に到着してすぐ、その噂話を耳にしたフィードは噂の真偽を確かめるため村人たちから詳しい話を聞き出した。そして、彼らから得た情報を整理した結果、現在セントールは数百名もの武装集団によって襲われており、下町部分はその集団に掌握されてしまったということだった。
 彼らはどこからともなく現れ町を襲い、暴虐の限りを尽くしているという。しかも、それが起こったのは既に二日も前だという話だ。
 危機的状況を理解したフィードの心臓は今にも破裂してしまいそうなほど暴れ狂っていた。耳に響く鼓動は煩わしく、不安からか苛立ちを抑えることができない。呼吸は乱れ、汗が吹き出る。
 脳裏には、かつて失った大切な存在たちの姿が蘇る。業火に焼かれ、助けを求められ、それでも救うことができなかった人たちの姿が……。
 乱れた息を整えるため、大きく息を吐き出し新たな空気を体内に取り込む。心を落ち着け、平静になるよう保ち、その状況を己が目で確かめるため、村に到着してすぐだというのに休ませている馬の元へと向かう。
 手綱を取り、馬を引き村の入口へと向かうフィード。途中村長と思しき老人にクラリスのことを少しの間預かってもらえないか頼み、セントールへと向かおうとする。
 だが、村の入口へと向かった彼をクラリスが待っていた。言葉には出さないものの、その表情からは自分も一緒に連れて行って欲しいという意志が滲み出ていた。
 ここでクラリスの意思を無視し、彼女を置いていくことは簡単だったが、かつてクローディアを救出する際に彼女を置いていった事がフィードの脳裏に蘇り、それを行うのをためらわせた。

「……危険だぞ。それでも、一緒に行きたいか?」

 そう問いかけるフィードにクラリスは頷いた。

「よし、じゃあ行こう。ゆっくりしている時間はないからな」

 そうしてフィードはクラリスを連れ馬を駆け出した。一秒でも早くセントールへとたどり着くように。
 風を切り、息を切らせ、全速力で平原を馬が駆ける。夜の暗闇を照らす魔術の炎を己の上空にかざし、進む先の道を照らしながらフィードたちはかけた。そのかいあって、村を出てから半日。とうとう彼らの視線の先にセントールの西門が目に入るまでになった。
 だが、彼らが目にしたセントールは不気味な静けさを保っていた。門を見る限り外観は綺麗なもので、とてもセントールが襲われたとは思えないものだった。だが、近隣の村にあのような噂が立つということは実際に何かが起こっていなければおかしい。火のないところに煙は立たないのだ。
 ここまで休憩なしに長い間走り続けさせた馬に十分な水と食料を与えた後、フィードは近くの木々に馬を繋ぎ歩いて門へと向かうことにした。
 フィードの後ろに身を隠しながら付いてくるクラリスに気を配りながらも周囲への警戒を怠らない。だが、あまりにも人の気配がせず不審に思っていると突如頭上から彼めがけて幾つかの弓矢が彼めがけて飛んできた。

「チッ!」

 舌打ちをしながらフィードは背後にいたクラリスを咄嗟に抱きかかえて弓矢の軌道上から急加速で離脱する。回避行動を終えるとすぐさま弓矢が放たれた方角に視線を向けた。見れば、門の上部、下部にそれぞれ弓矢を構えた無法者の姿が数名見えた。

「……どうやら、噂は本当だったみたいだな」

 そう呟くとすぐさま戦闘態勢へと移行する。だが、門を守る兵士たちに近距離での戦闘を挑めばクラリスを守りきれるか怪しい。かといって遠距離での戦闘をしかけていては埒があかない。
 そう判断したフィードは短期間での近接戦闘により門内へと忍び込み、敵から逃げて今この国の状況がどのようになっているのか確認することにした。

「クラリス。しっかり掴まっていろよ」

 そして彼は魔術を詠唱する。敵の守りを突破するための魔術を。

「速さを。効率を求め、より単純、より俊敏に――インプロスピード――」

 身体強化の魔術を己に施し、軽くなった身体。内側から溢れ出す力を制御し、抱きかかえているクラリスの身体を先ほどよりも強く、強く抱きしめる。

「行くぞ」

 そう呟くと、フィードはとてつもない速度で敵に向かって走り出した。そんな彼の様子に気がついた敵もまた自分たちめがけて飛び込んでくる的めがけて弓矢を放つ。
 だが、放たれた弓矢をフィードは紙一重で回避し、時に空いた片手で握り締めた剣で撃ち落とし、見る見る相手との距離を縮めていく。
 その光景を見た敵は、それまでの余裕の表情を崩し、真に敵対する相手としてフィードを認め、腰に帯刀した剣を抜き放った。

「ええい。ここは通さぬ!」

 威勢良く向かう無法者たち。噂の通りであれば一国に攻め込むなどという無謀な行いをしている者たちだ。腕に覚えがないわけではないのだろう。
 だが、なにせ相手が悪かった。

「ぐ、あああああああああああああ!」

「ぎゃあああああああああ、肩。肩がぁッ!」

 すれ違いざま、一瞬の攻防の末、フィードの背後へと通り過ぎた無法者たちは皆叫び声を上げていた。
 一人目は上段からの振り下ろし。それをフィードは剣の腹で逸らし、逸らした際の勢いを付け男の肩を切り裂いた。
 二人目。右斜め下段からの振り上げ。ギリギリまで剣を寝かせ、足を狙った一撃に対し、彼は直前で後方へとステップを取り、敵の攻撃のタイミングをずらした。結果、虚空を割いた男のがら空きになった胴へと剣を突きたて、すぐさま剣を抜き放ち横をすり抜ける。
 三人目。おそらく、向かってきた無法者の中で最も手練だと思われる男。先に向かってきた二人と違い、門の前にてただ一人フィードを待ち構え、敵の行動を見極めようとジッと見つめていた。
 東方風の剣を腰に添えた男は剣に手を当て、その場から動かず後の先を取ることを選択していた。
 すなわち、居合。東方に伝わる抜刀術であり、高速の一閃にて敵の肉を裂き、同時に命を絶つ術を持つ技法である。
 張り詰める空気にフィードの頬に冷や汗が一筋垂れる。今さら後ろに引けば無様に晒したその背を切られ、突き進んだとしても相手の間合いに入った瞬間に高速の一撃が見舞われる。
 交わされる視線と視線。抜き放たれる剣。触れ合う凶器。そして血飛沫が空に舞う。
 悲鳴をあげるまもなく三人目は首筋を深く切り裂かれ絶命した。感情の籠らぬ冷たい眼差しが彼らを射抜く。見るものを恐怖させ、縮み上がらせるその眼光。心の奥底に秘められたその本性が一瞬表に這いずりでる。
 だが、それもすぐさま奥へと引っ込み再び暗闇に蓋が閉じられる。今はまだ、表に出るときではないとでも言うように。

「通してもらうぞ」

 無法者を切り捨てたフィードはすぐさま閉じられた門めがけて全力で駆け抜ける。そして、上位の風の魔術により圧縮された空気を重々しく立ち塞がる目の前の巨大な門めがけて撃ちはなった。
 結果、門の一部に円形の穴が開き、その先へと続く入口を作り出した。その先にある光景をゆっくり確認する暇もなく、フィードは門上部にいる別の敵からの追撃を受けないようにするため素早く下町の中へと駆け込み、矢が届かない路地裏の死角へと向かっていった。
 そうしてとうとう敵の攻撃の届かぬところへと辿りついたフィード。ここまでの全力疾走に加えて命のやり取りを行ったことにより緊張していた身体をようやく休ませる。下を向き、乱れた息を整え、抱きかかえていたクラリスを離して顔を上げた先に彼が見たのは、正しく地獄と呼ぶにふさわしい光景だった。

「……は、ははっ。なんだよ、これ」

 あまりの光景に思わず言葉を失うフィード。そこには彼が以前に見た町並みの姿は欠片も存在していなかった。
 燃え痕の残った建築物。弓矢が刺さり、剣閃の痕が残された家屋。路上に転がる果実や酒。それに交じるように地面に染み込んだ赤褐色の液体。既に乾いたものもあれば、まだ真新しい温かいものも存在する。
 咄嗟に路地裏から飛び出し表通りに出たフィード。そこではさらに驚愕の光景がかれを待ち受けていた。
 泣き叫ぶ子供。無残に捨て置かれた大人の死骸。髪を掴まれ、無理やり空家に連れて行かれる女。それを見て憎しみの視線を向ける男。そして、その男をあっさりと切り捨てる無法者。見れば遠くの広場にはうずたかく積み上げられた建造物がある。そう、所々出っ張りの見える黒い影。その周囲から猛烈に漂う腐乱臭。
 未だ視線の先の各所では家屋が燃えている。だが、ほとんどの場所からは笑い声と女の嬌声と悲鳴。それから男たちの罵声と肉を打ち付ける音が聞こえる。
 やめて、やめて、やめてと子供が叫ぶ。黙れと大の男が子供の腹に蹴りを入れる。子供は黙る。吹き飛ばされて、もはや何も言わなくなる。その様子を楽しそうに男の仲間たちが見て酒を飲む。
 それ以上は見ていられなかった。
 気がつけば血溜りの中にフィードはいた。彼の周囲には数十にも至る死体があった。おそらくは自分が殺したのだろうと彼は考える。しかし、どのようにして殺したのかは思い出せなかった。
 男が子供を蹴り飛ばしたのを見た瞬間、全身の血液が沸騰した様に熱くなり、獣のように叫び声を上げたところまでは彼の記憶にあった。だが、そのあとは無我夢中で何も覚えていない。
 顔を上げると視線の先に怯えた目で自分から距離を少しでも取ろうとする無法者が一人いるのをフィードは見つけた。おそらく、他の仲間たちに自分のことを知らせる気か、それとも狩る側だった自分が狩られる側に回った事の恐怖からただ逃げているだけなのか彼にはわからなかった。
 だが、その直後彼は火の魔術を詠唱すると逃げ去る敵めがけてそれを放ち、相手を焼死させた。
 そしてようやく辺り一帯が静かになった。
 フィードは先ほど男に蹴られて動かなくなった子供の元へとノロノロと歩いて行く。
 ……まだ、幼い少年だった。
 瞳から熱い何かが溢れ出る。見たことはないが、おそらく下町で過ごしている時にすれ違ったことくらいはあるはずだろう。
 平穏な日常を過ごしているだけだったはずだ。だが、それを突然奪われた。立ち向かう術もなかっただろう。
 それでも、彼は無法者の男に向かって懇願した。やめて、やめてと。何もしなければ命くらいは見逃してもらえたかもしれないにも関わらず。
 嗚咽が漏れた。そこにかつての己の姿が重なる。いや、この状況の何もかもが彼のかつてに重なった。
 燃え盛る村。
 燃え盛る町。
 泣き叫ぶ人々。
 黙りこむ人々。
 生かされた己。
 殺害される皆。
 笑い声をあげる敵。
 笑い声をあげる敵。
 敵、敵、テキ、てき、てきてきてきてきてきてき。
 不意に身体を温かいものが包み込んだ。思考は途切れ、涙で濡れた顔を上げ、温もりの正体を確かめる。
 クラリスだった。
 まるで、聖母のようになんの責任もないのに後悔に苦しむ彼を少女は優しく抱きしめた。そして彼はまだ温かいものが己の傍にあることに安心し、流れ出る者を押し留める。

「行こう。まだ、生きている人がいるかもしれない。みんなを助けるんだ」

 立ち上がった彼の瞳には僅かながら光が戻った。少女の身体を再び抱きかかえ、まず真っ先に生存を確認すべき者たちの元へと向かう。
 息を切らし、心の苦痛を顕にしながら走り出す。見慣れたはずの景色は見慣れないなにかに変わり、それでも見知ったはずの名残を見つけては目的の場所へ向かって走り続けた。
 そうして、焼け跡と化したかつての住処へと辿りついた。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ」

 息が切れる。心が痛む。柱が崩れ、残骸となった建物の跡の前へとそれでもフィードは近づいた。
 残骸の中に死者の亡骸をいくつか見かけた。だが、大人のそれは見つかれど子供のそれは見つからなかった。
 それを確認したフィードは他の場所へと生存者を探しに向かった。

『あらま。フィードさん、今日は仕事はいいんですか? こんなところでのんびりしているとまたアルちゃんに怒られますよ』

 立ち去る際、長く住み着いた建物の跡からそんな幻聴が聞こえた気がした。大量の死体が積み重なる広場を通り抜け、中階層へと続く階段へとフィードは向かっていった。だが、その先に彼を待っていたのはさらなる絶望であった。

「……これ、は」

 階段の途中、まるで境界を隔てるかのように魔術によって作られたと思われる巨大な壁が目の前に存在した。その周辺にはおそらく上へ向かって逃げようとした下町の人々の死体が転がっていた。先程までは気がつかなかったが、改めて下町から中階層に続く道を左右遠くまで確認する。だが、その全てに目の前と同じ巨大な壁が作られていた。

「なんなんだよ。どうして、こんなことするんだよ」

 おそらくこれを作り出したのはこの国の騎士団に所属する魔術師たちだろう。一人では無理だが、数名以上の人数で力を合わせればこのようなものが作れないわけでもない。それも、死力を賭して作り上げたのだろう。敵の魔術がこれを破ろうとした痕かは知らないが焼け跡やこの壁を削ろうとした際に生じた穴のようなものがちらほら見えたからだ。
 だが、そんなことはフィードにとってはどうでもよかった。ただ、足元に横たわる死体を見て彼の内からは凄まじい怒りと憎悪が溢れ出ていた。

「なんで、同じ国の人間にこんなことしてんだよッ」

 頭では理解できる。おそらくは敵に攻め込まれてこれ以上の犠牲を出させないため、中階層、上階層に住む人間たちは下町の人々を〝切り捨てた〟のだろう。それが一番少ない犠牲だからと判断して。
 時間が経てば少なからず逃げ出した人たちによりこの状況が他国に広まる。そうなればあとはこの国を攻めようと内心で思惑している他国の者や恩を売っておこうと思うもの、純粋に民衆を助け出そうという者たちにより援軍が向けられ、じきに事態は収まるからだ。
 そう、それが彼らにとっては最善の選択だったのだろう。だが代わりに下町の人たちは死んだ。
 一年近く、この下町に滞在した。その間にフィードが関わった者は少ないとは言えなかった。
 最初は警戒されていた。どこの流れ者が現れたかと。彼自身もそこまで関わりを持つつもりはなかった。だが、どこかできっかけがあり、下町の人達と交流を持つようになり、認められ、仲良くなり、笑い合うようになった。
 だからこそ、何故彼らが切り捨てられなければならないのか。それが少数にとっての最善だったとしてもどうしても彼には納得ができなかった。
 心が黒く染まっていく。無自覚の悪意に向けて怒りと憎悪が湧き上がる。手元に存在する温かな存在を感じる。少女の顔を見てフィードは一人の青年を思い出した。

『ねえ、フィード。どうして、僕は死ななきゃならなかったのかな? だって、何も悪いことなんてしてないはずなんだ。僕はただ、シアを殺された仇を討っただけなんだから』

 今はなき親友の幻聴が彼に聞こえる。正しく生きてきただけの彼が『悪』を持つ大人によって歪められてしまったことをフィードは思い出した。
 壁の前から立ち去ると、さらに彼は町を駆け回った。途中何度か敵に遭遇したが、その度に無言で相手を切り捨てた。
 そうして、もはや何度目かになるかわからない悲鳴が響く家屋にたどり着いた。扉を蹴飛ばすと、突然のできごとに驚き硬直する敵めがけて突進した。
 全裸で女を抱き、いい気分に浸っていた男たちは数秒後肉の塊と化していた。またしてもハズレかと。男達にいいようにされていた女たちに放ってあった衣類を手渡し、家屋の中を捜索する。
 そんな中、部屋の奥。血の匂い漂う一室から呻き声が漏れるのが聞こえた。そして、それは彼にとって聞きなれた声だった。
 歩く速度は早まり、いつの間にか駆けていた。早まる鼓動を無視し、扉を開く。

「……フィー、ド?」

 そこには全身に青あざをつくり、いくつもの切り傷を作ったイオがいた。

「あ、ははは。私、夢でも見てるのかな? おかしいよね、だってこんなところにフィードがいるわけないし……。はは、とうとう頭おかしくなっちゃったかな?」

「……ッ!」

 幼い少女のその言葉をそれ以上聞くに耐えず、フィードは小さな身体を両手で抱きしめた。

「……はっ、ははっ。フィード、フィードだ。えへへへへ。ごめんね、ごめんね。私、いいようにされちゃった。ずっと嫌だって言ってたんだ。だって、フィードがよかったから。
 でもね、許してもらえなかったんだ。言うこと聞かないと殺されちゃったから。グリンさんや、みんなみたいに。
 本当は嫌だったんだよ。でも、フィードが救ってくれた命だったから簡単には捨てられなかったの。だからね……」

 我慢していたものが表に出たのか、ポロポロと涙をこぼして語るイオをフィードは無言で強く、強く抱きしめ続けた。
 そうしてしばらくして、ようやく落ち着きを取り戻したイオ。この話を聞くのは辛いと理解しながらもフィードは事が起こった経緯を彼女から聞き出した。
 そしてわかったのは、突然無法者たちが大量に現れ、セントールの下町全域は為すすべなく襲われたということだった。そして、力ある男たちはすぐさま殺され女たちは当然……。
 子供たちは捕らえられたそうだ。おそらく奴隷として売るためだろうとフィードは思った。
 泣きじゃくりながら話しを続けようとするイオだったがそこまで聞いてフィードは彼女を止めた。

「もういい。それだけ聞ければ充分だ。ありがとう、イオ」

 今の自分にできる最大の笑顔を作るフィード。それを見たイオは緊張が完全に解けたのか頬を涙で濡らしながら意識を失った。
 そんな彼女を抱きかかえ、入口前で待つクラリスの元へとフィードは向かう。そして、彼女に意識を失ったイオを託した。

「ごめん、ちょっとここに近づいてきてるやつらがいるから行かなきゃいけない。クラリスはここでイオを見ててくれるか?」

 クラリスたちの前に立ち、表情を見せずに淡々と告げるフィード。そんな彼に向かってこれまでずっと口を閉ざしていたクラリスが言葉を投げかけた。

「はい、フィードさん。どうか、お気を付けて」

 そうしてフィードは振り返ることなくその場から立ち去った。


 広場を抜け、表通りに出たフィードを待っていたのは先ほど倒した敵よりもさらに数の多い無法者たちの姿だった。たった一人、表に現れたフィードを隠れ潜んでいた民衆とでも思ったのか、警戒心のない敵の一人が笑い声を上げた。

「おいおい。まだ男が生き残ってんぞ。しかも剣を下げてやがる。というか、身体震えてんじゃねえか。もしかして、今から自分の命がなくなるのを理解しちゃった?」

 挑発する男の言うとおりフィードの身体は確かに震えていた。だが、震えながらも彼は敵に向かって問いかけた。

「……ここにお前たちを導いたのは誰だ? まさか、自分たちだけの力でやりましたなんて言わないよな。お前らみたいな小物がこんな大それたことできるわけないだろうしな。裏で糸を引いた奴はどいつだ?」

「あっ? なんだその口の利き方は。てめえ、状況が分かっていないらしいな?」

 フィードの言葉遣いが気に入らなかったのか、先ほど彼を挑発した男がフィードに向かって駆け出してくる。それを緩みきった様子で他の無法者たちも見守っている。
 だが、瞬きもせぬ間に男が先程までいた場所にフィードの姿があった。何が起こったのかわからない無法者たちはポカンとした様子で虚を突かれていた。

「どいつだって聞いてるんだ」

 視線の先には首と胴が離れた男の姿が残されていた。

「て、てめえええええ!」

 体に染み込んだ本能が無法者たちに次の行動を取らせた。フィードめがけて一斉に放たれる剣。だが、その全てが遅い。
 抜刀から剣が地面に触れるまでの間、フィードは魔術の発動、抜刀している剣による一撃、体術による人体破壊を周囲の敵に向かってし終えていた。
 そして金属音が周囲に鳴り響いた瞬間、彼の周りにいた男たちは血飛沫を散らす者、首の骨が折られてその場に倒れる者、血の刃に身体を貫かれて絶命する者と多くのものが命を失っていた。

「答えろ」

 最終通告と言わんばかりに圧をかけるフィード。彼から向けられる殺気や気迫にその場にいた全員が呑まれていた。もはや反抗する意思を示すものなど一人もおらず、その場から動こうともしない。いや、正確に言えば動くことができないのだ。動けばその瞬間に命を絶たれるという想像が彼らの脳内にはできているのだろう。

「……じゅ、十二支徒だ」

 そんな中、無法者たちの一人が呟いた。

「あ、あいつらに誘われたんだ。一国を好きにしてやらないかって……。好き放題暴れてみないかって」

 凍る視線でフィードは男を見据えた。

「あ、あんたもそうなんだろ? あいつらに誘われて俺たちみたいに好き放題したんだろ? なあ、あんたの勘に触ることをしたのなら謝る。だから、だから助けてくれよ」

 泣き叫び、命乞いをする無法者。そんな彼に合わせるように他の無法者たちも同じように命乞いをフィードに始めた。
 そんな彼らを少しの間黙って見続けていたフィードだったがやがて口を開き、彼らに向かって告げた。

「お前たちは、同じように命乞いをした者たちをどうしたんだ?」

 広場にある死体の山に視線を向けた後、フィードは命乞いをする無法者たちを皆殺しにした。
 周囲にできた死体の数々にフィードは火の魔術を放ち、その全てを燃やした。決して弔うためではない。無法者たちの姿を死体となっても視界に収めたくなかったからだ。
 燃え盛る炎の中、フィードは考える。何故、こうなってしまったのかを。
 今回の事を起こしたのは十二使徒だと彼らはいった。だが、それはフィードを狙ってのものではないように思えた。だからといって彼らに対する怒りや憎しみが消えるわけではない。むしろ以前よりより濃く、強くなった。
 だが、同時にこれまであえて目を逸らしていたものにも直面することになった。
 これまで、十二支徒を優先するあまりあえて無視してきた悪人たち。己の周りや周囲に被害を及ぼした際に限ってはそれ相応の報いを与えてきた彼であったがそれ以外の悪人にはさして興味を持たなかった。
 だが、そうして目の届かぬ範囲で悪人を『悪』を放置した結果がこれだ。『悪』はより強い『悪』に唆されてこうして彼にとって大事だった温かな日常を、その全てを奪い去った。
 思い返せば以前にもその兆候はあった。
 『悪』により捕らえられ、奴隷として扱われていた少女。
死んでいった親友。『悪』により、その生き様を曲げられ、大事な存在を奪われ狂ってしまった友。
 そうした道端に転がっているいつでも処分できるような『悪』を見過ごしたばかりにまたしてもフィードの全ては奪われた。

「ふ、ふふふ。ははははははっ!」

 カタンと何かが落ちていく音が聞こえる。パリンと何かが砕ける音が聞こえる。手のひらを顔に当て、視界を遮る。暗闇が彼の前に現れる。
 暗い、暗い、底の見えない暗闇に彼は一人立ち尽くしていた。歩けど歩けど光は見えない。だが、その先でぼんやりとした明かりが現れた。
 明かり目指して進むとその先には一人の少年が座り込んでいた。次々と砕け、闇の中へと落ちていく光のかけらを必死に手に取り、また元の形へと戻そうとしていた。

「もう……いい」

 そうフィードが呟くと、少年が不思議そうな顔をして振り返った。

『どうして? せっかく、また元に戻っていたのに』

 崩れ落ちる光の欠片。その断片には色々なものが詰められていた。
 最初は高飛車だった少女との出会い。時を重ねるにつれて心を通わせ、癒された記憶。
 親友と、その妹との出会い。少女と、妹と共に力を合わせ、親友の恋を成就させた記憶。
 かつてのパートナーと別れ、新たな少女との出会い。その旅路と安息の地を見つけた記憶。
 下町の人たちとの交流。笑顔を浮かべ、軽口を叩き、様々な事を語り合った記憶。

『みんな、みんな、大事なものなんだ。一度は壊れてしまった大切な日常なんだ。大丈夫だよ、また元に戻るよ』

 少年は笑顔でそう語った。その表情に諦めの意思はまるで見られない。それを見て、フィードはイラついた。

「だが、結局はまた壊れてしまう。そうなってしまうのなら、意味はない。
 だから、もういい。そんなものは、もう必要ない」

 そう言ってフィードは光の塊めがけて拳を振り抜き粉々に砕いた。飛び散る光の結晶。その全てはすぐに闇へと解けた。

『そう……。それが答えなんだね』

「ああ、これが答えだ」

 もはや用はないと言うようにフィードは少年の首を刎ねた。そうして闇が彼を包み込んだ。
 視界を覆っている手を顔からゆっくりと離す。そこにいたのは今までの彼ではなかった。これまで日常という名のぬるま湯につかり、心の奥底に封じ込めていた本性。彼が危機に陥るたびその封が破れ、顔を出していたそれであったが結局最後には奥底へと閉じ込められていた。
 だが、それもこの時を持って終わりを迎える。今再び真の悪鬼は世界に現れた。

「全て、殺してやる。この世界に巣食う『悪』を。そして、その筆頭である十二支徒を」

 かつて一度、砕けて消えた青年の心。それは長い年月をかけて人との関わりによって復元された。
 だが、その全ては今跡形もなく消え去り、残されたのは怒りと憎悪に満ちた復讐の化身のみ。この世に存在する『悪』を消すため、彼は動き出す。
 その隣に、かつて存在した少女の姿はもう……なかった。


 遠く。東方の一角、セントールの近くにあるとある町に一人の少女が駆け込んだ。食事や水もロクに取らず、倒れこむようにしてそこにたどり着いた少女。気を失い、町の者に介抱される少女に一人の女性が近づいていく。

「ほう。これは珍しい客が来たものじゃ。さて、一体何が起こっているのやら」

 こうして、ひとつの物語が終わりを迎えた。
 何度も絶望をその身に浴びた青年は光を捨て闇に堕ち、未だ力なき少女の運命は見えない。
 だが、これで全てが終わったわけではない。これは始まり。終わりに向けて語られる始まりの物語。

アルは今日も旅をする 第一部 完
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建野海

Author:建野海
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名前:建野海

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好きな食べ物: 和菓子、洋菓子などデザート類。

趣味: 読書、ツーリング、ゲーム、ピアノ、映画鑑賞。

好きなマンガ:
ワールドエンブリオ
修羅の門
     3月のライオン
     エリアの騎士
     フルーツバスケット

好きな小説:ダレンシャン
      白夜行
      スロウハイツの神様
      向日葵の咲かない夏
      白い巨塔など。

好きな映画:プラダを着た悪魔
      ワイルドスピード
      僕駐
      インセプションなど。

好きなゲーム:キングダムハーツ
       テイルズ
       ルーンファクトリー
       ゼルダの伝説など

好きなアーティスト:福山雅治
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